佐々木朗希のしなる投球が影を潜めた/プロ野球「12球団のアキレス腱」(3)

 コロナ禍に振り回された昨シーズンとは打って変わり、予定通りペナントレースの幕が上がった。ところが球界の事情通たちの話に耳を傾けると、そこかしこに致命傷となりかねない泣きどころがあるわあるわ。とことん語り尽くしてもらおうではないか。

E あのオリックスでさえ宮城大弥(19)や紅林弘太郎(19)といった若い戦力の台頭でポジティブな空気が漂うのに、日本ハムには悲壮感しか漂っていない。

A 今のハムは、本拠地が道内の北広島に移る23年までを育成期間と位置づけている。来年には侍ジャパンの稲葉篤紀監督(48)に禅譲することが決まっているから、栗山英樹監督(59)のモチベーションも上がらない。

C せめて、主砲候補の清宮幸太郎(21)は一人前に育成してほしいものだな。

D 昨シーズンも優先的に起用されてきましたが、一向に芽が出ません。生来の練習嫌いで、進化する兆しも見当たらない。

A 2軍施設のある鎌ケ谷からも、「清宮さんはVIPだからズルイよ」とブーイングの声が上がるほどチーム内で不評を買っている。

E 投手陣に目を向けても、エース・上沢直之(27)の「1本柱」しか期待できない。

D GMとお友達ということでの縁故採用と言われ、今年から2軍に配置転換となった木田優夫総合兼投手コーチ(52)の育成手腕は疑問符だらけです。「話しやすいけど、ためになることは何もない」と選手から失笑を買っている。

C 一方で、ロッテの佐々木朗希(19)には、未完の大器から脱してほしい。3月12日には、待ちに待った実戦マウンドのデビューを果たしましたが‥‥。

A いや、この時期で最初が1イニング、次も2イニング限定という状態で、開幕ローテなど夢のまた夢。ようやく投げたということだけが騒がれているだけで、舞台裏では当日になってみないと本当に投げるかどうかわからない、というのがチーム関係者の本音だった。

D 入団時に交わした条件の縛りで、体の成長段階で壊さないように、大事に育成されてきました。ところが周囲の大人以上に、佐々木自身がケガにビビッていて、登板回避も本人の意向によるものが大きいそうです。

B いい球は投げていましたけど、153キロを計測したのは7分に抑えた投球でした。投げ方自体、ムチのようにしなるテイクバックが影を潜め、ピンと腕を伸ばしたフォームに変わっています。実は、お互いの代理人を通じてオリックスの山本由伸(22)に弟子入りして、アドバイスをもらっている。やり投げを練習に取り入れた山本のフォームは、まさにケガをしない投げ方ですから。

D いずれにしても、ビジネス優先で投げさせるのだけは勘弁してほしい。初登板も、千葉マリンの客入りが芳しくないため、緊急で決まったといいますから。

A 若手の客寄せパンダといえば、ヤクルトの奥川恭伸(19)も同じ。ノムさんの追悼試合が予定されている開幕3戦目に登板する見込みだ。

C 高めに浮いた直球を打ち込まれる「公開処刑」にならなきゃいいけど‥‥。

E 昨年の秋頃に肘を負傷したのは、コーチの目を盗んで自主練をしていたことが原因みたい。おかげで実戦登板までの計画が大きく狂ってしまった。

A 期待の若い戦力が台頭すれば、今季のプロ野球は盛り上がるんだけど‥‥。

A:ベテラン遊軍記者/B:民放局プロ野球中継スタッフ/C:球界OB/D:NPB関係者/E:スポーツライター

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