山形の老舗銘菓店も“悲鳴” 転売食品を絶対に買ってはいけない理由

 3月15日、山形銘菓「乃し梅」を江戸時代から製造・販売する老舗和菓子店「乃し梅本舗 佐藤屋」がツイッターを更新。自社商品が通販サイトで高額転売されていることを明らかにし、公式オンラインストアで購入するよう呼びかけた。

 佐藤屋は「あまりにも酷いので」と前置きし、「佐藤屋の乃し梅30枚入が『せどり』なる転売をされる方から、定価の数倍で出品されております。違反申告などしてもイタチごっこ(涙)」と現状を伝え、「せどり、転売自体は違法ではないことはわかってますが、写真使って『商売』してますこの方たち。写真の肖像権は全て佐藤屋に帰属してますので」と注意を促したのだった。

 2019年にも東京・銀座の老舗和菓子店「木挽町よしや」が公式ツイッターで、同店のどら焼きが通販サイトで約7倍という高値で無断転売されていることを明らかにし大きな話題となり、それ以前にも「鎌倉紅谷」の鎌倉銘菓「クルミっ子」の転売が問題視されるなどたびたび老舗銘菓が転売ヤーの標的にされてきた。

「新型コロナウイルスの感染拡大によってなかなか旅行に出掛けられない現状があるため、ご当地銘菓を購入したいという需要を転売ヤーは狙っています。また、老舗菓子店は公式のオンラインストアがないという勝手なイメージがあるようで、高値で販売されていても購入する人が後をたたないのです」(タウン誌ライター)

 また、「佐藤屋」が指摘しているように、せどりや転売自体は違法ではないものの、特に食品の場合は転売ヤーからの購入をオススメできない理由がある。

「転売ヤーが商品をどこで保管しているか分からないからです。食品には温度や湿度などそれぞれその商品に合った保管方法というのが存在しますが、転売ヤーは食品のプロではないので適切な管理ができない場合が多い。そのため、転売ヤーから購入した商品は味がかなり落ちてしまっていたり、場合によっては賞味期限が切れていたり、食中毒になることも十分に考えられるのです」(フードライター)

 欲しい銘菓があったら、まずは公式オンラインストアを見よう。

(小林洋三)

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