映画「シン・エヴァ」絶好調で、牛丼「すき家」の一強体制に拍車のワケ

 エヴァの最新作「シン・エヴァンゲリオン劇場版」が好調だ。同映画はコロナの影響で2度の公開延期を経た上に、3月8日の月曜日公開という異例のスタートだったが、15日に発表された週末の映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)で初登場首位となった。

 公開から7日間の累計では興行収入33億円を突破し、2012年公開で最終興行収入で約53億円を記録した前作・「エヴァンゲリヲン新劇場版Q」を45%上回っている。

 そんなエヴァの好調を、「すき家」などを展開するゼンショーホールディングス関係者も大いに喜んでいることだろう。というのも、同社では劇場公開に合わせてタイアップを展開しているからだ。

「牛丼御三家のすき家、吉野家、松屋はいずれもコロナ禍で1、2月は前年同月比80〜90%の売上高で推移しており苦戦が続いています。そんな今だからこそ、エヴァとのコラボは売上高トップのすき家が他2社との間に水をあける起爆剤になるかもしれないと見られています」(経済ジャーナリスト)

 コラボはすき家だけでなく、傘下の「なか卯」「はま寿司」「ココス」「ビッグボーイ」と全ブランドで取り組むもので、例えばすき家ならエヴァ初号機の紫・黄・緑のカラーを真似た「初号機オム牛カレー」が、なか卯は「ローストビーフプレート初号機Ver.」、はま寿司は「2号機ビーストロール」などと、作品世界を模した食べ物を頼むことができる。

 また、葛城ミサトによる店内放送が流れるお店でこれらタイアップ商品を注文すれば、36種類あるオリジナルクリアファイルのどれかが貰えるということなので、コンプリート目標の熱心なファンとシンクロすればこれはかなり強い。

 一方、対する松屋フーズホールディングスも映画コラボでこれを迎え撃つ構えだ。同社では3月12日公開の「すくってごらん」とコラボを開始している。同映画は世界初の「金魚すくい」マンガが原作で、主演が尾上松也。そこで「松也と松屋」のコラボが実現したわけだが、尾上松也と松屋の店員が金魚すくい3本勝負を行っている動画を視聴するとプレゼント企画に応募できるというものだ。

 さてこの牛丼チェーンの映画コラボ対決、勝つのはどっちだ。

(猫間滋)

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