佐々木の初登板で同期ライバル・奥川恭伸の「弱点」見えた!?

 令和の怪物・佐々木朗希投手がオープン戦デビューしたのは3月12日。160キロ超えはなかったが、最速153キロで1イニングを三者凡退に斬って落とした。最後のバッターとなった中日・ビシエドは「見送り三振」を喫した後、苦笑いを浮かべていた。ストレートのキレ、威力。「怪物」の異名に偽りはなかった。

「昨季は二軍戦も含め、実戦登板はナシ。プロとして初めて試合のマウンドに上るので緊張するかなと思いましたが、落ちついていたように見えました」(プロ野球解説者)

 怪物の初登板が順調だったからか、同期生ライバルにもその影響が及んでいた。東京ヤクルトの奥川恭伸投手のことだ。

「ビシエドが苦笑いを浮かべたのは、最後に見送ったストレートが『高めのボール』だと思ったから。身長190センチの長身から投げ下ろすボールの角度のせいですよ。佐々木の本当の武器は球速ではなく、角度なのかもしれません」(スポーツ紙記者)

 この直球の角度が、奥川との比較論に発展しつつあるという。

 奥川は夏の甲子園を沸かせ、将来も嘱望される好投手だ。下半身の強さから、2019年ドラフト会議前、「奥川のほうが上ではないか?」の評価もされていた。しかし、佐々木の「角度」を見せられ、こんな指摘も出始めた。

「奥川は高卒2年目とは思えないような直球を投げ込んできます。佐々木は160キロ超えの球速で注目されましたが、奥川のスピンの掛かった直球も一級品です。スライダーなどの変化球も良い。でも、良いボールは高めばかり。低めに決まらなければ、痛打を浴びることになりそう」(前出・プロ野球解説者)

 つまり、奥川の投球には佐々木のような「角度」がない分、高めでは勝負できないというわけだ。これは、今後の課題となりそうだ。また、佐々木にも課題はある。

「佐々木の初登板後、千葉ロッテの関係者が心配していたのは、回復力です。マウンドでは平然としていたように見えましたが、本当は緊張していました。ちょっと力が入りすぎていたところもあり、先発投手の『中6日』の間隔できちんと回復できるかどうかか心配です」(球界関係者)

 もっとも、佐々木も奥川も、ともにまだプロ2年目の19歳だ。投球の角度、スタミナ面など細かい指摘がされるのも期待の裏返しだろう。奥川に関しては「チーム事情で一軍登板させなければならない」との切実な話しもあるが、佐々木同様、慎重に育ててもらいたいものだ。

(スポーツライター・飯山満)

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