来季から背番号がエースナンバーの「18」に変わるヤクルト・奥川恭伸。だが、懸念されるのが右ヒジの故障で、来季に向けた効果的な治療法が模索されていた。
「今季は一軍戦1試合にしか投げていません。右ヒジの炎症とも伝えられ、一時期は『トミー・ジョン手術を受ける』と伝えられましたね」(スポーツ紙記者)
だが、奥川と球団が話し合いの場を持ち、トミー・ジョン手術ではなく、新たな治療法を行うことに決まったという。その治療法は「保存療法」。いったい、どんなものなのか。
「保存療法とは、簡単に言うと、手術ではない治療法です。つまり、奥川はメスを入れないで、右ヒジを治していくことにしたのです。球団は、いったんは、トレーナーや医師の報告によりトミー・ジョン手術が必要と判断しました。でも、奥川がメスを入れたくないと主張したようです。もっとも、シーズン終盤になって出た話ではなく、右ヒジの違和感、炎症が報告されたころから話し合いは始まっていました」(球団関係者)
話し合いが始まったのは、今季唯一の登板となった3月29日の巨人戦後だという。先発マウンドにあがった奥川は、4回1失点、53球で降板。早すぎる降板について、当時、球団は「上半身のコンディション不良」と発表し、取材陣も「大事を取っての降板だろう」と見ていた。
「ところが、奥川がキャッチボールを再開させたのは8月になってからでした。続いて投球練習も再開されましたが、実戦登板できるまでは回復できなかった。奥川といえば、2020年の新人合同自主トレ中も右ひじに軽い炎症を起こし、別メニューとなったことがありましたね」(前出・スポーツ紙記者)
そんな奥川の強い要望で決まったという「メスを入れない保存療法」。この治療法が功を奏し、エース番号に相応しい復活劇が見られることを、球団もファンも待ち望んでいる。
(スポーツライター・飯山満)