大卒じゃなくても応募可能に!? JAXA宇宙飛行士“積極採用”の理由とは?

 JAXA(宇宙航空研究開発機構)はこの秋に13年ぶりとなる宇宙飛行士の募集を行う予定だが、募集条件に関する案がこのほど明かされた。

「JAXAでは1983年以来、5回の募集を行い、これまでに11名の宇宙飛行士を誕生させてきましたが、その応募条件は『自然科学系の大卒以上』というものでした。それを今回の募集では、『文系』もOKで『短大、高専、専門学校卒業以上』とする案で検討されています。最終的にどうするかは今後決定され、今は意見募集しているところです」(社会部記者)

 今回新たに募集を行うことは、萩生田光一・文部科学大臣が昨年10月に明かしていたのでその方針に沿ったものだ。その際、これまでは「随時」募集されていたものを、今後は「5年に1回」で定期的に行うともしていた。だから今回の募集は、広く門戸を開放しただけでなく、数の上でも積極採用に転じることになるわけだが、その背景には「アルテミス計画」があると言われている。

「アルテミス計画は、アメリカが主導するアポロ計画以来の有人月探査計画です。日本は19年10月にこの計画への参加を表明、最終的には20年代後半にも日本人宇宙飛行士による月面着陸を目指しています。だからそのために必要な人員を集めようということです」(前出・記者)

 計画には他にも欧州宇宙機構(ESA)、カナダ宇宙庁(CSA)、オーストラリア宇宙庁(ASA)が加わり、国際宇宙ステーションのISSが使われる。ISSはオーストラリアを除いた計画参加国とロシアが共同で運営している。そこで、ISS参加国の宇宙飛行士事情はどうかといえば、現役で抱える宇宙飛行士の数は、冷戦時代以来から宇宙開発でしのぎを削ってきたアメリカとロシアが抜きんでているという。

 では、ISSに参加せずに独自の宇宙開発に乗り出しているあの国、中国はどうかなのかといえば、昨年10月に一気に18名もの大量募集を行っている。中国は22年に独自の宇宙ステーションの完成を目指しているからだ。

 中国はロシアと共同で月の開発を行う方針を打ち出しているので、アルテミス勢としてはそちらの動向もうかがいつつ計画を進めていくことになるだろう。

(猫間滋)

※写真はイメージです

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