三塁に固定も!? 矢野監督が目を細めた内野手・佐藤輝明の意外な能力とは?

「3番・佐藤輝明、4番・井上広大」。阪神タイガースの未来を担う若トラ打線が、楽天を迎えた2月16日の練習試合で披露された。

 4球団競合の末に獲得した左のスラッガー、昨季全ての二軍戦で4番を託された大砲候補。この日は逆転打につながる連打を放つなどバッティングで存在感を見せつけたが、打順以外でも「注目されたこと」があった。佐藤の守備位置だ。

「じつはその2日前の対広島戦でも佐藤と井上がクリーンナップを務める予定でしたが、雨天中止となっています。ギリギリまで『やる方向』で準備が進められていました。でも、広島がセカンドアップを始めた時点でグラウンドには水たまりができていて…」(スポーツ紙記者)

 バックスクリーンにも打順が表示されなかったため、真相はわからないが、矢野燿大監督はすでにその時から佐藤の三塁起用を頭に描いていたようだ。それは2月12日の紅白戦でのこと。当初「三塁固定」の予定だった大山悠輔が腰背部の痛みを訴え、途中で交代。翌日の内野ノックから佐藤が三塁にまわったのだ。

「近大でも主に三塁を守っていました。本人もやりたいと言っていたし、守備に入るとハツラツとして、声も出ていました」(前出・スポーツ紙記者)

 グラウンドの雰囲気をも変えた佐藤の姿勢に、矢野監督も目を細めていた。その後、記者団に「今のうちにいろんなことを試しておきたい」と語り、「14日は三塁か?」の問い掛けも否定しなかった。

「佐藤は内野用のグラブ、ファーストミットも持ってきています。キャンプインする前は、『まずはバットで結果を出せ』というプレッシャーを受けていたようでしたが…」(チーム関係者)

 長丁場のペナントレースでは何が起きるかわからない。「三塁・佐藤」も選択肢に入ったことは間違いなさそうだが、矢野監督や首脳陣が着目していたのは、佐藤の三塁守備には周囲を明るくする力があるということ。大山が復帰すれば、実績十分のスラッガーを定位置に戻して「新人は外野へ」と考えるのが普通かもしれないが、佐藤が守れるのは三塁だけではない。

 これはマイナスの情報がリンクするのだが、一塁にまわったサンズの調整が少し遅れており、シート打撃でも2年目の西純矢の変化球にまるで対応できていなかった。一塁が空けば…。対外試合で守備でも打撃でも良いところを見せれば、佐藤はインフィールダーとして起用されることになりそうだ。

(スポーツライター・飯山満)

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