WEBカメラは目張りが常識!? 27歳OLは上司に湯上がりマッパを見られ…

《ズーム会議中に下半身を見せて著名ライター解雇》

 そんなセンセーショナルな見出しの記事が世界中を駆け巡ったのは、昨年11月のこと。報じたのは米誌ニューヨーカーで、CNNの法律アナリストを務める著名ライターが、ビデオ会議システム「ZOOM」を利用して行われた会議中、なんと自身の手による性的行為に走り、その光景を同僚たちが目撃することとなった。同氏は、会議で使用していたカメラの映像や音声もオフにしたと思い込んでいたようだが、別のカメラに問題のシーンが映り込んでしまい発覚したという。

 こうした事件の一方で、意図せぬ形で恥ずかしい姿を見られてしまったというケースもある。コロナ時代の今は、テレワークの普及によってオンラインでの会議や飲み会が行われることも多いため、カメラの消し忘れなどが思わぬトラブルに発展することも…。

「今ではPCのウェブカメラのレンズ部分に目張りをするためのマスキングテープが欠かせなくなりました」

 そう語る都内の広告代理店で働く佐々木絵里さん(仮名、27歳)も、そんな最悪の事態に陥った一人だ。

「先月、会社の新年会でリモート飲み会を行なったときのことでした。この日も課長によるいつもの“性ハラ攻撃”で気分は最悪。なんで自宅にいてまでこんな奴の相手をしないといけないのか…。地獄のような飲み会がようやく終わり、悪酔いしたのでお風呂に入ってから寝ようと思い、その場ですぐに服を脱ぎ捨てて浴槽へ向かいました。酔いも醒めてスッキリした気分でお風呂から上がると、例のセクハラ課長から着信が入っていることに気づきました。恐る恐る折り返してみると、課長から『もしかしてウェブカメラ消し忘れてなかった?』と…。本人はすぐにオンラインの場から“退出”したと言っていましたが、絶対ウソ。あれ以来、私を見る目つきが明らかに変わりました。もし動画を保存されていたらと思うと、怖くて仕方ありません」

 湯上がりマッパを見られるのはレアなケースかもしれないが、彼女の他にも取材をしたところ、ウェブ会議システムおよびカメラの消し忘れによるトラブルは意外に多いようで、

「独り言をブツブツいっているところを同僚に見られて気まずい思いをした」(42歳女性、経理職)

「オンラインでの朝礼が終わった瞬間、勢いよく席を立ってベッドに寝転んだら一部始終を上司に見られていた」(31歳男性、営業職)

「職場で未婚のお局に気を遣って『彼氏はいない』と伝えていたが、うっかり同棲中の彼氏が映り込んでしまった」(20代、企画職)

 …といった声も。ウェブカメラで第三者に私生活を晒さないようにするためには、どんな対策が有効なのだろうか。ITジャーナリストはこう解説する。

「カメラの消し忘れ以外にも、パソコンの誤作動によって勝手にカメラが起動したり、ウイルスや遠隔操作によって盗み撮りされる危険性もあります。ウェブカメラはネットに接続して使用するという特性上、第三者に無断でアクセスされるリスクはつきものですからね。ハッキングを防止するためには、まずは常にセキュリティーソフトを最新版にしておくこと。それに加えて、カメラを使用していないときはレンズに目隠しをしておくことも大切。最近はレンズにスライド式の目隠しカバーが備え付けられているタイプのカメラもありますが、もしそれがない場合は専用のカバーが安価で売られているので購入を検討してみては?」

 ここ最近は「お前の恥ずかしい動画を保存したので金銭を支払え」というスパムメールも横行しているが、それがハッタリではない可能性もある。今この瞬間も、あなたの私生活が誰かに盗み見されているかもしれないのだ。

(橋爪けいすけ)

※写真はイメージです

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