窓側が”勝ち”ではなかった!新幹線「座席選び」の新常識

 一人旅や出張で新幹線に乗るとき、何が何でも「窓側」に座ろうとしていませんか? じつは、あなたの事情や状況によって「狙うべき座席」は変わってくるのです。ひと月の半分は新幹線に乗って、沿線の取材や車両の撮影に勤しむ鉄道ライターの鼠入昌史さんに伺いました。まずは上の座席配置図をご覧ください。

●富士山が見たい人
東海道新幹線の醍醐味といえば、やはり富士山を間近に見ることができる点です。新幹線は富士山の南側を通過しますので、行き先にかかわらずE席がベスト。もし、E席が取れなかった人は、静岡駅近く、安倍川を渡る付近では条件が良ければ1分だけA席側から富士山が見えます。

●熟睡したい人
隣に誰も来ない確率が最も高いのはA席・C席。指定席はA、E、C、D、Bの順に販売されると言われています。但し、2人組だとE・Dセット、もしくはA・Bセットが売れる。例えば4人組がこの買い方をした場合、Cの席は仲良しメンバーの真ん中となってしまう恐れがあるので注意、落ち着いて寝たいならばA席がベター。しかし、寝過ごすことが心配なら通路側(C、D)がオススメ。停車駅が近づくと人の往来が激しくなるので、人の気配で目が覚める可能性があります。

●トイレが近い人
当然ながら、通路側のC、D席になります。しかし、意外に多いのが通路側の席でテーブルにコーヒーを置きながら熟睡している人。思い切ってまたぐしかありません。長時間座っていられない人も、積極的に通路側を取るべきです。

●荷物が多い人
それぞれの車両の一番後ろの席は、シートの裏側が広いので荷物を置きやすいのですが、あまりに知られているので一番早く売り切れてしまいます。それでもワンチャン狙いでいくなら、席指定ができる券売機で「喫煙所の近く」を選んでみてください。喫煙所に最も近い車両の最後尾座席が空いている可能性が一番高いのです。ただし、喫煙者が近くを往来するのでタバコの臭いは我慢しないといけないですが。

●新幹線で仕事をしたい人
こちらも人気の席ですが、車両の先頭はテーブルがちょっと大きいので書き物や、資料を広げながらのパソコンなどが、その分し易いです。

●太った人、足を組んで座りたい人
唯一、窓側でも通路側でもないB席は、そこを配慮する意味で若干シート幅が広く設計されているので僅かながらゆったりできます。B席は決して「ハズレ」というわけではないのです。

●指定席が満席だったが、自由席で絶対に座りたい人
2号車に並ぶのが正解。東海道新幹線「のぞみ」の自由席は1〜3号車だけ。そして、運転席やトイレの配置の関係から2号車の座席数が最も多いので、座れる確率を上げることができます。諦めないでください!

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