減俸必至!? 田中将大「NY残留」を阻む“10月の失投”と敏腕代理人の影

 ニューヨークヤンキースとの残留交渉が難行中の田中将大投手に「新説」が浮上した。交渉の遅延は、“10月の失投”が影響していた。

「田中はポストシーズンマッチに強い投手として位置づけられていました。19年までのポストシーズンマッチでの成績は5勝3敗、防御率は1・76。圧倒的な強さを誇っており、『プレーオフ・ビースト』と称賛する米メディアもありました」(米国人ライター)

 ニューヨークのファンも田中に期待していた。しかし、今年はワイルドカード・ラウンド第2戦で先発したが、5回途中でノックアウト(6失点)。地区シリーズ第3戦にも先発したが、5回途中5失点と振るわなかった。チームでワールドシリーズ・トーナメントまで進めずに敗退となったため、田中一人が悪者にされてしまった。

 これも期待の裏返しだが、その後の残留交渉について、マイナスの話ばかりが聞こえてくる。「減俸は必至」という内容だ。

「ヤンキースは左腕のジェームズ・パクストンもフリーエージェントとなり、田中と合わせて2人同時に喪失したくないと思っているはず。2人の残留を確実とし、さらに投手を補強するのが理想なんですが……。パクストンの代理人はスコット・ボラス氏です」(前出・米国人ライター)

 ボラス氏といえば、古くは松坂大輔投手の米球界挑戦で大金を動かし、昨年オフも投打の主役をクライアントとし、普段は野球と関係のない経済誌までもが特集記事を組むほどの敏腕代理人だ。新型コロナウイルスによる減収でどの米球団も例年よりも少ない予算で補強を進めているが、ボラス氏には関係ないようだ。

「メジャーリーグは、実績、チーム貢献度ではなく、その時々の成績だけを見てドライな査定をします。田中の32歳という年齢、ポストシーズンマッチでの強さにも陰りが見え始めたことも影響しています」(特派記者)

 ここに加えて、チラつくのが敏腕代理人の動向だ。パクストンもチーム残留を第一希望としているが、一歩も引かない交渉が続いているそうだ。

 米スポーツサイト「ジ・アスレチック」に、ナショナルズなどでセネラルマネージャーを務めた解説者のジム・ボーデン氏が、田中の減額残留を予想するコメントを寄せていた(12月24日/現地時間)。ヤンキース残留をいちばんに挙げていたが、「エンゼルスか、メッツの可能性もある」とも伝えていた。移籍すれば、20年の推定年俸2300万ドル(約25億3000万円)に少しでも近い額が提示されるからだ。やはり減俸は避けられそうにない。ポストシーズンマッチで好投していれば、ここまで厳しいオフにはならなかったかもしれない。

(スポーツライター・飯山満)

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