巨人・菅野智之投手とメジャー球団との“交渉遅延”に「新説」が出た。
MLBが「契約可能選手」として全30球団に通知してから2週間以上が過ぎた。交渉期限は来年1月8日午前7時(日本時間)となっており、まだ日程的な余裕はあるものの、果たして「年内決着」は叶うのか…。
この新説浮上のきっかけは横浜DeNAベイスターズのクローザー、山﨑康晃投手の契約更改後の会見だった。
「山﨑はプロ6年目で初の減俸となりました。でも、今季の不振でマイナス査定には納得していたようで、7000万円減の2億8000万円(推定)でサインしました」(スポーツ紙記者)
開幕前、優勝候補にも挙げられていたが、案の定、クローザーの不振がそのままチームの成績に直結してしまった。山﨑は21年シーズンの復活を強く誓っていたが、同時に出たのがメジャーリーグ挑戦への強い決意。この“不退転の決意”を聞き、目下、ひと足先に米球団との交渉に入った巨人・菅野の話も囁かれた。「タイプが異なる」と…。
「メジャーリーグでは『縦の変化球』がないと通用しないとも言われています。日本人投手が挑戦する際、どんな種類の落ちるボールを投げているのか、その精度はどうなのか、米メディアも着目しています。前年オフ、山口俊がブルージェイズと契約したときも、フォークボールを決め球にしている点が報じられました」(米国人ライター)
山﨑には鋭く落ちるフォークボールがある。その精度の高さはプレミア12大会などの国際試合でも証明されているが、菅野には「落ちるボール」のイメージはない。どちらかというと、スライダー、シュート、カーブを内外角のコーナーのギリギリに投げている。ストライク・ゾーンからボール・ゾーンへの出し入れに長けた投手というイメージだ。
「米球界が『縦の変化球』を重要視しているのは知っています。山﨑の復活に対する決意、米球界への思いをさらに強くしているのは、フォークボールに自信があるからでしょう」(前出・スポーツ紙記者)
縦の変化球の話をされると、「菅野は大丈夫か?」と心配になってしまう。もっとも、菅野も「縦のスライダー」など落ちる変化球は投げられるが、米球界との交渉遅延は、こうした“不安要素”が影響しているのかもしれない。
「DeNAは今年のドラフト会議でクローザータイプの投手を指名する、と予想されていました。そのタイプを指名しなかったのは、山﨑の復活を信じているからでしょう」(前出・スポーツ紙記者)
また、前出の米国人ライターによれば、「落ちる変化球=米球界挑戦の必須アイテム」の視点から、山﨑のほうが菅野よりも米野球ファンに知られていたという。
いずれにせよ、新生・三浦ベイスターズの命運はクローザー山﨑の復活にかかっていることは間違いないのだが…。
(スポーツライター・飯山満)