ユーザーから絶大な支持を受けていたパチスロ機「ミリオンゴッド〜神々の凱旋〜」が11月に認定期間満了を迎えて全国のホールから完全撤去。「打ちたい台がなくなった」と話す者も多く、業界関係者の間ではファン離れの加速化が懸念されている。
この機種が導入されたのは2015年3月。“一撃”で数千枚のコイン獲得も期待できる高い爆発力を秘めたゲーム性で、総設置台数は約6万5000台。どのホールでも必ず見かけた業界のナンバーワン機種として活躍。店にとっても集客が期待できる数少ない看板機種だった。
「本来、設置機種の入れ替わりは激しく、5年半以上の長期にわたって稼働するケースはほとんどありません。ウチのチェーンでは各店20〜30台置いていましたが、撤去後のスロットコーナーは1〜2割集客が落ちている。他の機種でも穴埋めができていない状況です」
苦しい胸の内を語ってくれたのは、首都圏の某ホールチェーンの幹部。現在ホール導入されているパチスロ機は6号機と呼ばれ、出玉性能を抑えた仕様になっている。一方、以前の規格である5号機は“瞬発力”に長けた台が多く、なかでも最高峰の性能を誇る機種のひとつが今回撤去されたミリオンゴッドだった。
最近の新しい台との出玉の違いは明らかで、「ゴッドと比べたら、どの台もショボすぎる」と話すのは30代会社員。一方、自営業の40代男性は「今の台じゃ遊ぶ気がしない」と最寄りのホールから撤去された後、3週間以上打ちに行っていないという。
「5号機が登場したばかりの2005〜2006年も出玉の増え方が緩い台ばかりで、今と同じような状況でした。このままだと業界に未来はないため、各メーカーは規制の網目を潜り抜けて出玉的にファンが満足できる機種を必死に開発しています。でも、規制は昔に比べて厳しくなっており、決して簡単ではありません」(パチスロ業界に詳しいジャーナリスト)
そんな中、今年10月に登場した「吉宗3」は“6号機最大の爆裂機”との呼び声も高い。こうした機種が次々と出てくるかどうかに今後のパチスロ人気の命運がかかっているだろう。
(トシタカマサ)