以前から社員の副業を認める会社はあったが、コロナ禍による減給などでANAのようにここに来て「副業解禁」に踏み切るケースも増えている。しかし、週5日フルタイムで働く会社員にとって、空いた時間を利用してできる副業の選択肢はそれほど多くない。実際、シフトに縛られないウーバーイーツの配達員が人気アルバイトとなっているのは何よりの証拠だろう。
そんな中、副業先として密かに注目を集めている深夜限定バイトがある。パチンコ・パチスロ機の新台搬入・設置だ。
パチンコホールの営業中は作業を行えないため、バイト開始は基本的に閉店後の23時以降。ホールの規模や設置台数、複数の店舗を回るかどうかにもよるが仕事は3〜5時間。バイト代は日給の場合、8000円〜1万8000円(※作業時間や店舗数などで異なる)が相場で、時給に換算すれば最高額で6000円。短い時間の割にかなり高額だ。
ただし、この新台搬入バイトは完全な肉体労働。副業歴2年の30代会社員は、「1台35〜40キロもあり、それもバーベルのように持ちやすいわけではないのでかなりハード。相応の腕力と体力が必要」と話す。実際、バイト仲間はいかにも力がありそうなガッチリ系の体格の人間が多く、なかにはインディー団体に所属する現役プロレスラーもいたとか。
「今のところ、運搬中に落として台を壊したっていう場面は見たことがありませんが、その場合は落とした人間が弁償しなければなりません。それも1台40〜50万円と非常に高額のため、一瞬たりとも気が抜けないんです」(前出・会社員男性)
ちなみにパチンコホールの新台入替は基本的に月曜日のため、搬入作業は日曜深夜に集中。どのホールも同じタイミングなので人手が不足しており、求人サイトでも頻繁に募集を行っている。
「作業が早く終われば何時間か寝れますが、下手すると仮眠すら取れないまま月曜日会社に行かなければならず、そのときは仕事中に眠たくて大変ですけどね(笑)」(前出・会社員男性)
キツそうではあるが短時間で高収入はやはり魅力。月曜日寝不足になるのは辛いけど、筋トレ好きなど鍛えている人にはいいかも。副収入が得られるだけでなく、トレーニング代わりにもなりそうだ。
(トシタカマサ)