コロナ禍でパチプロが続々と廃業宣言「台確保も大変」「1日の儲けも半分」

 パチンコやパチスロの勝ち分だけで生計を立てているパチプロ。以前はどこのホールにもそれらしき人がいたが、「警察庁による出玉規制の影響もあり、ここ数年ですっかり見かけなくなった」と語るのは業界関係者。

 現在のパチスロは6号機と呼ばれる規格で、一度の「特殊ゲーム」(ボーナス)で得られるコインの最大枚数が上限2400枚に設定。以前の5号機では、“一撃5000枚”や万枚オーバーといったケースも珍しくなかった。現在の規制はこうした射幸心を煽りすぎたことの反動とも受け取れるが、以前ほどの旨味はなくなったといえる。

「6号機では勝っても1日の儲けは以前の半分に減ったのに、投資額はそんなに変わらない。5号機が登場したばかりの頃もショボイ機種しかなく、廃業したパチプロが多かったけど、そのときよりも状況はひどい印象です」

 そう話すのはパチプロ出身のパチンコライター。実際、昨年引退して会社員になった30歳の男性は「規制に加え、ホールも設定を抑えるようになった」と廃業の理由を明かす。

「市場規模も縮小し、出していると評判のホールも今は少ない。しかも、ネットで情報を聞きつけたファンが殺到するから高設定の台を確保するのも大変です。プロとして勝ち続けるための労力が以前よりも大きくなり、利益に見合わないと判断して辞めました」

 前述のパチンコライターによれば、パチプロの平均月収は30〜50万円程度。情報収集にかかる労力やホールまでの往復の移動時間を考えると、決して割のいい職業ではないようだ。

 今年、パチプロを廃業したばかりの28歳の男性も「潮時だと思っていたところに4〜5月のホールのコロナ休業。これで決断しました。20代の今ならまだ社会復帰できると判断したからです」と語る。

 パチスロに対し、パチンコは規制の網をかいくぐる出玉性能の高い機種がここに来て次々と登場。過去の歴史を振り返れば、パチスロもいずれ勢いを盛り返す可能性は十分にあるが、一方で見切りをつけたパチプロも多かったということ。

 やはり仕事としてではなく趣味で楽しむ程度に遊ぶのがいいのかもしれない。

(トシタカマサ)

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