世界一高い場所にある首都として知られている南米ボリビアの首都ラパス。海抜3650メートルと富士山並みの標高で、酸素濃度は平地の約3分の2しかない。
だが、このラパスは盆地の底の部分に位置し、周辺の街のほうが標高が高い。なかでも国の玄関口となっている国際空港があるエル・アルトは盆地の縁に広がる近郊都市で、標高はなんと4150メートル。”世界一高い場所“にある街なのだ。
森林限界を遥かに超えているので市内に草木はほとんどなく、ちょっと歩いただけでも息切れを起こすほど。普段平地で暮らしている者であれば、一歩間違えると高山病で命を落とす危険すらある。人間が暮らすにはあまりに過酷すぎる環境と言ってもいい。
このエル・アルトには地元民向けのピンク店が集まっているエリアがあり、ラパスからわざわざ通う男性客も少なくないという。
なかには噂を聞きつけて外国人も訪れるようだが、「ジッとしているだけでも息苦しいため、行為中も自分から積極的に動くことができない」と話すのは、数年前に現地のピンク店で遊んだ経験を持つ30代の会社員だ。
「ゲストハウスで知り合った旅仲間から話を聞き、興味半分で訪れましたが、平地の感覚で動こうとすると息がすぐに乱れて苦しくなっちゃう。もともと責め好きなんですけど、このときばかりはさすがにそんな余裕がなくて終始受け身に徹していました(苦笑)」
ラパスオリンピック競技場で開催されるサッカーの代表戦でも、ブラジルやアルゼンチンの選手たちが思うように動くことができず、番狂わせが起こることも珍しくない。1993年にはW杯南米予選でボリビアがブラジルに歴史的勝利を果たした。
鍛えぬかれた一流のアスリートでさえそうなのだから、激しい運動と同じくらいの体力を消費する行為中に動けなくなるのも納得だ。
ちなみに相場は100ボリビアーノ(約1500円)程度と格安。ただし、ピンク店のある地域は治安が悪く、地元民ですら強盗に遭うことも珍しくない。
「天空に一番近い」と言われるピンク店で遊ぶのは、まさに命がけのようだ。
(トシタカマサ)