ファミリーレストラン「ガスト」「ジョナサン」などを展開するすかいらーくホールディングス(HD)は国内にあるグループ店、約200店舗を2021年末までに閉店すると発表したのは11月12日。これまでファミレス業界は大量閉店の発表が相次いでおり、《日本は空き店舗だらけになるのでは!?》と心配する声もあがっている。
「同日にすかいらーくHDが発表した2020年1月~9月までの第3四半期決算では、最終損益が146億円の赤字になっていたことが明らかとなりました。同グループは今年すでに85店舗を閉店させていますが、新型コロナウイルスの影響で未だに客足は戻らず、来年末までに首都圏を中心にさらに120店舗ほどを閉店させる予定だといいます」(経済誌ライター)
ファミレス業界では今年5月に「ロイヤルホスト」を展開するロイヤルホストホールディングス(HD)がグループ店約70店舗を閉店させることを発表、「ジョイフル」も今年7月には約200店舗の閉店計画を発表している。
「ファミレスは新型コロナの感染拡大が始まった頃から三密になりやすく、ドリンクバーやサラダバーなどの飛沫感染もリスクが高いと言われていたことから、こうなることは仕方がないとも言えます。すかいらーくグループは今後、持ち帰りや宅配の専門店など約80店を新たに出店することも明らかにしていますが、他のファミレスもどんどん持ち帰りや宅配へ業態を変えていくのではないでしょうか。その場合、現在のような駐車場付きの広い店舗は必要なくなりますから、元ファミレスの空き店舗は今年から来年にかけてどんどん増えていくのは間違いないでしょうね。とくにリモートワークの浸透で客数が激減した首都圏のオフィス街ではそうした空きテナントが目につくことになりそうです」(経営コンサルタント)
ファミレス業界以外にも吉野家が最大で150店の閉店を発表しており、シャッターを閉めた店舗を見かける機会は増えそうだ。
(小林洋三)