異例の短縮日程で開催された2020年のプロ野球レギュラーシーズンも終幕へ。コロナ禍の影響でメディアの取材活動が制限される一方、公にはしづらい「場外乱闘」が多発していた。そこでペナントレースを独自総括すべく、関係者を緊急招集。ベンチ裏事件をブチまけてもらった。
A ソフトバンクの内川聖一(38)の退団が決まった。2軍ではシーズンを通して3割以上のアベレージを残しながら、最後まで上げてもらえずじまい。
B 全盛期からの衰えは否定できませんが、一度も1軍に上げなかったのは露骨でしたね。やはり工藤公康監督(57)との「関係」が影響しました。内川はどうしてもひと言多くて、工藤監督の采配について「今日のあの場面で走らせるのはおかしいでしょ」などとシーズン中、番記者たちを相手によく批判していましたからね。それが工藤監督の耳に入ってしまった。
D 実は9月頃には干され続ける状況に業を煮やし、みずからトレード志願していたそうです。だけど交渉した他球団とは、2億5000万円の高年俸と、実績あるベテランの途中加入でチームバランスが崩れる懸念が出て、最後まで話がまとまりませんでした。
B とはいえ、内川の争奪戦はスタートしています。一番手は意外にも、古巣のDeNA。セ・リーグ各球団が内川に興味を示しているようですが、横浜(現DeNA)時代から懇意の民放局関係者やソフトバンクの番記者が道筋を付けていると言われていますね。かつてチームを去った際には、当時のフロントに対して不満がありましたが、親会社が変わった今では、そのしがらみもありません。
C フロントの実務トップに、コーチ時代に内川と苦楽をともにした進藤達哉編成部長がいるのも追い風になりそうだな。
B それでも、ベテランの貴重な1年を「2軍の置き物」にした工藤監督への恨みは渦巻いています。実は「打倒工藤」を旗印に、移籍先としてロッテも浮上しているんです。工藤憎しでタッグを組む井口資仁監督(45)と鳥越裕介ヘッドコーチ(49)がラブコールを送っているとか。
A ロッテはソフトバンクをお得意様にしていたけど、後半戦は劣勢が続いていた。さらなるソフトバンクの弱点を蓄えようとする魂胆らしい。
C 今季はレアード(33)やマーティン(32)の離脱が響いてリーグ最低打率だっただけに、内川の打力は魅力的だろう。
D しかし、井口采配には大いに疑問がありましたね。その最たるものが、3年目の安田尚憲(21)の4番固定です。シーズン序盤こそ低打率ながら、たまの一発と四球を選べることで重宝されていました。ところが追い込まれてからの落ちるボールに対応できないことがバレてからは、さんざんな成績だった。シーズン最終盤でようやく6番、9番と打順を下げましたが、時すでに遅しで‥‥。
C 采配よりも「令和の怪物」こと佐々木朗希(19)の育成方針がまるで見えてこない。開幕前から1軍に帯同させて、吉井理人投手コーチ(55)が面倒を見ていたけど、10月頃から活動の場を2軍施設に移してしまった。球団も佐々木の情報だけは非公開を貫いているから、近況がつかめない。
A とにかく球団のガードが厳しくて、隠された存在になっています。そういえば、トレードで巨人から途中加入した澤村拓一(32)は、1億5400万円の年俸がネックになって、早くも今オフの流出がささやかれているとか・・・・。
B ロッテは昨年も、生え抜き選手にはかなりのシブチンでしたからね。いくら活躍したといっても、実働3カ月では大幅な昇給は期待できません。実は今季取得した海外FA権を行使してメジャーに移籍することが「既定路線」として浮上しています。本人は行く気マンマンですよ。
A あの150キロを超えるストレートとスプリットはメジャースカウトの間でも評判がいい。実際に獲得に興味を示しているメジャー球団もいますよ。メジャーリーガーの代理人事務所と関係が深いマネージメント会社と契約しましたし。
(年俸は推定金額)
A:ベテラン遊軍記者
B:パ・リーグ関係者
C:球界OB
D:スポーツライター
E:在阪メディア関係者