所持自体が違法の薬物類だけでなく、偽ブランドのコピー製品、ワシントン条約で規制されている絶滅危機種の動物製品など各国で持ち込みが禁じられている物は意外と多い。そんな中、日本の週刊誌の大半が持ち込みNGの国が存在する。
ちなみにその国とはサウジアラビア。イスラム教を国教とする国は世界に数多くあるが、今でも厳しい戒律を守り続けていることで知られている。そのため、戒律に触れるような物品は当然持ち込めない。宗教的に飲酒は一切ダメなのでお酒をはじめ、ウイスキーボンボンのようなアルコールを使用したお菓子などもアウト。また、食べることが禁じられている豚肉も同様で、エキスなどが含まれている加工食品、スナック菓子なども規制の対象となる。
さらに日本人が注意しなければいけないのは、過剰に肌が露出した女性の写真や画像、映像。艶グラビアなどは論外で、水着止まりであっても同じ。つまり、「週刊アサヒ芸能」だけに限らず、大半の週刊誌は女性のグラビアページがあるため、その時点でサウジアラビアでは戒律破りの違法なブツとなるわけだ。
新聞であってもスポーツ紙や夕刊紙にはピンク面のコーナーがあり、芸能面には女性グラドル水着写真が掲載されていることも珍しくない。雑誌や新聞は搭乗前に処分、もしくは当該ページや問題となる写真を切り取るしかない。
入国時、全員ではないにせよ、ランダムで所持していた雑誌類を調べられる可能性がある。しかも、ノートPCやスマホ、タブレットの画像もチェックの対象となり、家族や恋人と海水浴に行った際の記念撮影だったとしてもサウジアラビアでは通用しない。もし所持していることが発覚すれば、拘留や国外追放になるケースも。
同国は昨年9月、日本を含む49ヶ国に観光ビザの発給を初めて解禁。現在は新型コロナの影響で停止しているが、いずれ再開するだろう。もちろん、観光ではなく出張や駐在など仕事で入国する人も多いはずだ。
もしもサウジアラビアを訪れる際は、ヤバい写真や画像がないか、雑誌やスマホをきちんと確認しておいたほうがよさそうだ。
(高島昌俊)