3番・内川、4番・バレンティン、5番・長谷川、先発投手・バンデンハーク。一軍戦にも引けを取らない豪華なラインナップ、これが、福岡ソフトバンクホークスの二軍戦だ(9月20日)。二軍戦が豪華メンバーになった理由は主力選手の不振や再調整、故障などさまざまだが、ホークスファンが「どうして!?」と割り切れない表情を浮かべ、他球団関係者も「大丈夫か?」と心配している問題がある。
内川聖一内野手が一軍からいっこうにお呼びが掛からないのだ。今季はまだ、一軍の試合で一度も打席も立っていない。
「ベテランはスロースターターになりがち。春季キャンプ、オープン戦はマイペース調整でした。開幕当初は調整不足ということで二軍スタートとなりましたが……」(地元メディア記者)
同時点での内川の打撃成績は65打数22安打(3割3分8厘)。一時期は打率5割にも達する勢いだった。その好調さをキープしているものの、一軍昇格の話は出ていない。
「昇格は『10月の勝負どころ』と予想する声もあります。同9日から2位千葉ロッテとの3連戦があり、27日からも3連戦が組まれており、ここで勝ち越したチームが優勝へと大きく前進しそうです」(前出・地元メディア記者)
千葉ロッテも澤村拓一のトレード補強に加え、09年に最優秀防御率賞に輝いた左腕、チェン・ウェインを獲得した。投手力強化で追撃態勢を整える千葉ロッテに対し、経験豊富な好打者を隠しておく……。そんな前向きな解釈もできるが、正反対の見方も一部ではされていた。
「選手層の厚いチームなので、今季中の昇格はないと見るべき。どこか故障をしているわけでもないので、工藤監督の構想から外れてしまったのではないか」(球界関係者)
すでに他球団が二軍戦を視察しているという。東北楽天がトレード期限前の9月21日に広島からDJ・ジョンソンを獲得したように、内川が放出されることも十分に考えられる。球団の意思によるトレードなら仕方ないが、心配なのは、内川本人の“気持ち”だ。
「昨季、鳥谷敬も出場機会を求め、阪神を離れました。内川もそんなことにならなければいいのですが……」(前出・球界関係者)
ペナントレースの終盤になると、ベテランには考えなければならないことがたくさんあるようだ。
(スポーツライター・飯山満)