「阿波おどり」中止が追い討ちに!徳島“来県お断り”が招いた観光業の大打撃

 今年4月に戦後初の中止が決まった徳島の夏の風物詩である「阿波おどり」。NHK徳島放送局と公益財団法人「徳島経済研究所」が共同でおこなった調査によれば、中止発表以降の損失は少なくとも2億円を超えることが明らかとなったが、ネット上などでは《自業自得だ》などといった辛辣な意見も少なくない。

「同調査では6月1〜15日までに徳島市とその周辺の11の市と町にある166の宿泊施設を対象にアンケート調査を実施。阿波おどりの中止が発表された4月以降に宿泊予約をキャンセルした人の数は1万2000人余りだったことが明らかとなり、『廃業を検討する可能性がある』と回答した宿泊施設が全体の3割にのぼったといいます」(社会部記者)

 しかし、これにネット上では《阿波おどりだけで年間の売り上げを確保しようと考えるビジネスモデル自体が脆弱》《祭り期間中だけではなく一年を通して稼働率を上げる工夫はしたのでしょうか》など厳しい意見が相次いでおり、《さんざん他県ナンバーの車に嫌がらせをしたツケが回ってきたんだろう。自業自得》といった書き込みも少なくない。

「徳島県は緊急事態宣言の発令が決まった4月17日、飯泉嘉門知事が県外在住者に『来県をお断りする』と声明を発表し、さらにその後、『県外ナンバーの車がどれくらい来ているか実態を把握する』として、職員を動員して県内各地の高速道路のインターチェンジや観光施設などで県外ナンバー車の流入調査を実施しました。これがきっかけとなって、徳島県内では他県ナンバーの車へのあおり運転や投石、傷つけなど嫌がらせが相次いだのです。そのため、一部では《徳島はコロナが収束しても行きたくない県ナンバーワン》といった意見が出ており、厳しい目が向けられているようです」(経済ジャーナリスト)

 コロナによる県同士のギクシャクは、今後もあちこちで出てきそうだ。

(小林洋三)

ライフ