銀座がゴーストタウンに!? シンママ28歳ホステスが「闇バイト」に堕ちるまで

 新型コロナウイルス拡大を受けての様々な店の営業自粛。中でもクラスター発生地…といった非難の目が集中したのが、いわゆる「夜の街」だ。閉店した店、営業時間を短縮した店も多い。華やかだった銀座の街も、22時を過ぎるとすでに多くの店のシャッターが下ろされており、どうしても閑散とした印象を受ける。

 コロナ禍の直撃を受けて生活が一変したという銀座のホステスさんに話を聞いた。明美さん(仮名)、28歳、シングルマザー。

「20歳の時からクラブで働いています。銀座では名門とされるクラブです。10代で未婚で子供を産んで、子育てしながら働いてきました。この世界、シンママ率が高いんです。子育てにかんして情報交換したり、助け合ったりする環境が整っているんです。子供が小さいうちは、昼間は子供の面倒を見て、夕方から託児所に預けて出勤という生活でした。小学校に上がってから、昼間も週何日かパートに出るようになりました。Wワークのホステスは少なくないですよ。売り上げを持っているような一部のホステスは別として、一般のホステスの稼ぎは世の中で思われてるほどよくありません。風営法の関係でクラブの営業時間は限られてくるので、時給が発生するのは一日せいぜい4、5時間。土日祝日休みですし。衣装やらヘアメイクやらで月に数万かかるし……」

 そして、突然に襲いかかった新型コロナ禍で、銀座クラブの様相は一変する。

「自粛明けもガラガラですね。もともといわゆる社用族さんが多かったですから。いまは銀座のクラブの経費なんて、落ちないですからね。金曜なのに、ゴーストタウンかっていうエリアもありますよ。多分うちの店、家賃だなんだで固定費が月に300万円くらいかかってると思います。ホステスだけフル稼働というわけにもいきませんから、私たちの出勤日もかなり減らされています。昼間のパートの方の仕事もなくなってしまって。このままでは、子供の将来の教育費用の貯金に手をつけざる得ないというところにまでになって……」

 そして、背に腹はかえられないとばかりに足を踏み入れたのが「非合法性産業」の世界だった。

「うちの店はもともと性産業関係は御法度なんですが、さすがに目を瞑っている感じです。同僚の子が知り合いから紹介されたという業者です。きちんと届出をしているような正規のお店ではないですね。正規のお店はシフトとかが意外と厳しくて、クラブのお仕事と両立しにくいと聞いたので。おかげさまで、お金の方はなんとかなりましたが、もしもこの闇バイト中にクラブのお客様が来たらと思うとヒヤヒヤですね。プレイ中も、なんだかクラブのお客さんを裏切っているような気がして…辛い気持ちになります」

 銀座の高嶺の花から違法な性産業へ……。生活のため、家族のため、コロナ禍で“闇”へ堕ちていく女性たちへの救済策が待たれる。

(オフィスキング)

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