コロナ禍に「引きこもり」を卒業した23歳、そのヤバすぎる“就職先”とは?

 新型コロナウイルス感染拡大による自粛生活の中で、大きく変わったもののひとつが、家族のあり方である。あるアンケート調査によると約3割の家庭において、家族関係の悪化が報告されているという。この時期の家族関係の変化が原因で、数年間に及ぶ引きこもり生活に終止符を打ったという女性に、話を聞いた。独立を後押しすることになった「職業」は、意外にもパパ活だという。さおりさん(仮名)、23歳。実家は千葉県。地味で幼さの残る雰囲気の女性だ。

「引きこもり歴は長いですね。高校2年の時からだから、5年くらい。イジメとかはなかったんですが、友達ができなくて…。父親はバリバリ系のサラリーマンであまり家にいなかったし、母親も色々と出かけることが多かったから、家にひとりでいました。最初は大検の勉強するって言ってたけど、結局ゲームばっかり(笑)。すでに家を出てる兄と姉がいます。私は末っ子なので許されたのかも。何度かNPOの引きこもり自立支援団体の人が来たり、母親と一緒にグループカウンセリングに出たりとかもありました。途中の1年半くらいひどい鬱にもなってて、薬とかも飲んでました」

 その生活を変えたのがコロナ自粛だった。

「コロナで父親が在宅勤務になったんです。それまでほとんど交流がなかったので、どう接していいかわからない感じでしたね、お互い。仕事を続けられるのかとか不安が膨らんでたみたいで、急にうるさくお金のこととか言い出して。家の空気が24時間ピリピリしっぱなし。このまま家にいたら死ぬしかないって気分になって。でも、働いたことがないんで、どうしたらいいかわからなくて、ネットのマッチングアプリで試しにパパ活することにしたんです。親にはアルバイトの面接だとか言って。金銭感覚もないし、相場もよくわからなくて、1万円とかでやってました。そのうちにお客さんで援デリ業者の人がいて、『フリーだと危ないからウチに入りなよ』って言われて。手取りも1回、1万2千から1万5千に上がりました」

 東京都心の性産業店は客離れが進む反面、顧客の自宅に派遣されるデリバリータイプの「パパ活あっせん」は、コロナ感染のリスクが抑えられるとあって盛況なのだという。

「一応、アルコール消毒液は必ず持ち歩いて、熱がないことも伝えますよ。唾液感染するって聞いているので、キスだけはNGにしています。やっぱり“業者”にいると、お客を自分で探す必要もないし、送り迎えがあるから交通費もいらない。それで待機所に住み込みでもいいっていうから、実家を出ることにしたんです。引きこもりから一気に独立。いまは、お金貯めてアパート借りて人生初の一人暮らしをするのが夢ですね」

 程度の差はあれ、コロナ禍は多くの人にマイナスの影響を与えたが、なかには新たな人生を踏み出すきっかけをつかんだケースもあるようだ。

(オフィスキング)

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