新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、全国各地で海水浴場の開設中止発表が相次ぐ中、各地のプール施設もさまざまな規制や対策を設けている。日本スイミング協会の見解によると、プールの次亜塩素酸ナトリウムによる殺菌は非常に強力であり、施設内の湿度の高さも鑑みると、感染リスクは少ないとしていて、プール開きをする施設は多いようだ。
しかしコロナ禍において、人の密集が予測されるレジャー施設である以上、安心して人々に足を運んでもらうにはより万全な対策を練る必要がある。各地の市民プールでは抽選制度を設けるなど、人数制限によるプールの“3密”回避などの対策を取っているのだが、ある人気プールのコロナ対策にネット上がざわついている。
近畿地方にある人気レジャー施設の「巨大プール」は、7月4日にプール開きを迎えた。世界最大級のウォーターアトラクション目当てに、毎年県内外から多くの家族連れで賑わう人気プールだ。同プールは利用時のお願いとして「マスクを着用されていない方のご入場はできません」とし、人気の2名乗り以上のウォータースライダー利用時には着用を義務付けており、サイトにはマスクを着用してスライダーを楽しむイラストが掲載された。同乗者同士の飛沫感染を防ぐ目的だと思われる。これには賛同する声があがっており、《たしかに他人と同じスライダーに乗ってワーワーキャーキャー騒がれたらちょっと引くし…マスク着用は当然》《安心して遊べる》といった意見が見られた。
しかし、その一方で疑問の声があがっている。《水がマスクに染み込んだら呼吸できなくなりそう》《何かの拍子に誰かのマスクが飛んできたら怖いな…》《みんなの使用済みマスクがプールに触れるのはちょっと不潔に感じる》といった危険性や衛生面を危惧する意見が多いようだ。
7月に入って全国各地でプール開きや海開きが行われたが、今のところウォータースライダー利用時や遊泳中のマスク着用を義務化しているような施設は見当たらない。遊泳中にマスクをしていることで酸素不足に陥り、水中で気絶してしまうといった危険性を考慮してのことだろうか。
いずれにしても、コロナ禍での遊泳施設の運営には、感染対策だけでなく、よりいっそうの安全確保と監視体制が求められることになりそうだ。
(浜野ふみ)