執行猶予満了でもグラウンドに立てない!? 清原に立ちはだかる「球界包囲網」

 4年前の春季キャンプ時に球界を揺るがせた「番長」の執行猶予が満了した。薬物治療の道すがら第二の人生を高校野球にささげることを訴えるが、球界内でもはや手を貸す者は少ないという。本格的な球界復帰に立ちはだかる大きな壁とは?

 みそぎを済ませても、球界からのアレルギー反応は続いているようだ。2016年に薬物犯罪で有罪判決を受けて早4年。プロ野球の開幕が差し迫る6月15日に清原和博氏(52)の執行猶予が明けた。同日に発売された著書「薬物依存症」の版元である文藝春秋を通して本人のコメントが発表されたが、〈不安、絶望、微かな希望。これが今のぼくの全てです〉という直筆のメッセージを添えた書面にはファンや関係者への謝罪をつづり、4年間の悩みや不安、薬物依存症の実態について書籍に記したことを報告。書面の最後には、今後の人生について〈野球界、とくに私自身の原点でもあります高校野球に捧げたい〉と、球界復帰への熱い希望を明確に示していた。

 さっそく球界に向けて歩を進めたいところだが「現実は甘くない」と、スポーツ紙デスクが厳しい現状を語る。

「どこかおめでたいムードが漂っていますが、違法薬物でパクられた清原の球界復帰へのハードルは果てしなく高い。闇社会との断絶を目指すNPBは、コンプライアンスにいっそう厳しい姿勢を見せています。とりわけ近年、くしくも清原の古巣で不祥事が続いた西武や巨人は過敏で、ホーム球場に部外者を立ち入らせないよう、代理人や怪しげなインターネットメディアを排除しているほど。清原が黒い交友関係を断ち切ったのか、完全にわからない現状では、プロ野球界への復帰は容易ではないでしょう」

 NPBへの道が断たれてしまうと、おのずと高校野球への復帰も遠のいていく。というのも、学生野球を指導するためには「学生野球資格回復研修制度」を受講する必要があるのだが……。

「NPBからの許可が下りないでしょう。昨年受講したイチローでさえも、マリナーズの役付きの身分のままで参加させるか、ギリギリまで協議したほど審査は厳しい。仮に資格を得たところで、教育の現場が薬物依存症とまで告白する前科者を受け入れるかどうか。可能性があるとすれば、売名目的でプロ野球OBをコーチに招へいする地方私立大学くらいでしょう。都内の名門シニアに所属する、次男の高校進学も来年です。彼が高校球児でいる間に資格を取得できるとは思えません」(スポーツ紙デスク)

 親子といえども、プロ野球OBが資格を得ずに高校生を指導するのはご法度。「父子鷹」実現のためにはNPBの英断を待つしかないのだ。

 万が一、アマチュアの指導資格が復活した暁には、原点とも語っていた高校野球監督への期待が膨らむ。自身の所属したPL学園野球部は16年の夏大会を最後に廃部。昨年、OB会会長の桑田真澄氏(52)を先頭に立て、「マスターズ甲子園」に出場するなど野球部復活ののろしは上がったが、ここにも清原氏の帰るべき居場所はない。球界OBが断言する。

「2人はいまだに袂を分かつ関係性です。桑田が中心にいる以上、清原の入る余地はありません」

 球界のそこかしこに越えられない障壁が「清原包囲網」として立ちはだかっているようだ。

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