河野発言で脚光!自衛隊「UFO遭遇マニュアル」と「宇宙作戦隊」の実力

 コロナウイルスどころではないパニックが世界を襲っている。突如、米国が「UFO映像」を公開。これまで存在すら認めてこなかった日本政府も、一転して謎の飛行物体への対策に本腰を入れ始めるというのだ。

 発端は4月27日に米国防総省が公開した3本の「UFO映像」だ。04年11月と15年1月に米海軍のパイロットが撮影したもので、前者は発光しながら空中を飛ぶ楕円形の物体。後者は2本あって、いずれも楕円形の飛行物体が速度を変えて回転しているようにも見える。たま出版社長で、UFO研究家の韮澤潤一郎氏によれば、

「それぞれ07年と17年に民間企業が公開した映像ですが、当初はその存在を認めていなかった。それが、今になって認めたというのは、米国だけでなく他国でも同様のことが多発していて隠蔽できなくなった……そういうことでしょう」

 もっとも、国防総省は映像に映っている物体を「いまだ、未確認のもの」とし、噂された他の映像などがないことを証明するために公開に踏み切ったという。つまりは、異星人が操縦する「エイリアンクラフト」だとは言っていない。

 でありながら、映像公開を受けて、同盟国である我が日本の反応は意外なほど早かった。翌28日、河野太郎防衛相(57)は「UFOは信じていない」としながらも、国防総省の真意や分析を聞いたうえで「(自衛隊が)万が一、遭遇した場合の手順を定める」と、UFOの存在を前提とした対応をとることを明言したのだ。

 これは政府にとって大転換である。なにせ07年当時、福田内閣でUFOの存在を「確認していない」と閣議決定。18年2月にもUFO対策には「格段の検討を行っていない」という国会答弁があったほど。もちろん河野氏は「自衛隊パイロットがUFOに遭遇したことはない」としているが、この素早い反応と大転換は、すでに日本上空をUFOがウヨウヨと旋回しているからなのでは‥‥。軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏が答える。

「今回、遭遇した場合の手順を検討する理由として考えられるのは、UFOうんぬんだけではなく、想定していない事態が起こった時の対応方法を事前に作っておこうということ。事前に策を練っていないことにより、各方面からの非難を呼ばないように、先手を打ったとみるべきでしょう」

 野党やマスコミのツッコミ対策? では、なぜ同時期に、自衛隊が新たな宇宙戦略に打って出る必要があったのか。5月18日、航空自衛隊に正式発足した部隊の名称は「宇宙作戦隊」。府中基地を拠点として、防衛大臣の直轄部隊だというではないか。これこそ「対UFO部隊」に違いない。

 ところが、前出・黒井氏は冷静に切り返してくる。

「宇宙作戦隊の主任務は、現在も行っている衛星の監視を拡大すること。いわば、宇宙を監視する自衛隊版の天文台のような存在です」

 新編成部隊の発足とUFO映像公開が、偶然にも同じタイミングだったということらしい。とはいえ、河野氏が「対応を定める」と明言したからには「UFO遭遇マニュアル」を策定しなければならない。その内容について、前出・黒井氏に分析してもらおう。

「UFOが日本の防空識別圏に入ってくれば空自がスクランブルをかけます。そのうえで、相手に『ここから先は日本の領空である』と警告する。UFOのみならず、他国の侵入者への対応と同じですね」

 いやいや、そのUFOに異星人が乗っていたら、どんな言語を使っても通じない可能性が大きい。そんな手ぬるい対応でいいのか。

「無反応のまま防空識別圏を越えて領空に入ってくれば、それは重大な事態です。理屈としては、その時点で撃ち落としてもいいのですが、日本の場合、先に攻撃されないかぎりそれはありえません。司令官の判断として、そのまま追尾して警戒を続けるということになるでしょう」(前出・黒井氏)

 UFOとランデブーするパイロットは、たまったもんじゃない。が、これが現実らしい。ただし、非難の矛先をかわすためのマニュアル策定ならば、UFOからの攻撃も想定する必要が出てくる。

「相手が攻撃してくるなら当然違う対応になります。指揮系統としては、現場のパイロット→現場の司令官→航空総隊司令官→防衛大臣→最高責任者である総理大臣と伝達され、防衛出動となります。そうなれば、実戦的な攻撃になり、恐らくF-15をはじめとする主力戦闘機で対応することになります」(前出・黒井氏)

 F-15は誘導ミサイル攻撃も可能。UFOとの激しいドッグファイトが展開されるだろう。また、UFOの高度によっては、パトリオットなどの地対空ミサイル攻撃もありうるという。

 とはいえ、我々が知る宇宙からの侵略者は圧倒的な科学力を持ち、想像を超える兵器を駆使して攻めてくる。例えば映画「インデペンデンス・デイ」のように巨大宇宙船が頭上に現れ、次々とエイリアンが襲ってくる。海上自衛隊のイージス艦から発射されるミサイルは宇宙船に届くのか——。

「そうなったら、最終的には米軍による核攻撃しかないでしょう。日米安保の発動になりますが、日本だけが攻撃されるということは考えられないので、地球規模の対応になる」(前出・黒井氏)

 人類の生き残りをかけた戦いで勝利を収めたとしても、核攻撃で地球への甚大な傷跡が残るかもしれない。そんな心配に、前出の韮澤氏はこう答える。

「UFOに乗ったエイリアンは昔から地球に来ています。それだけの科学力を持った彼らが侵略者であるとすれば、とっくの昔に地球は侵略されている。そう考えれば、エイリアンはきわめて友好的な存在。心配する必要はないのです」

 自衛隊のマニュアルに「UFOは友好的」とあることを望むばかりだ。

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