桑田真澄氏、スポーツ庁参与就任で着手する高校野球の「球数制限」

 春の甲子園、センバツ大会が3月23日に開幕。ピッチャーの球数制限を巡る問題が再燃しそうだが、そのルール化については元巨人・桑田真澄氏がキーマンとなりそうだ。桑田氏が今年度のスポーツ庁参与に選ばれたからだ。

「国が行うスポーツ政策について意見を述べるのが、参与の役目です。競技OBが選出されるのは珍しいことではありません。東京五輪も控えており、各競技のサポートや健康問題、セカンドキャリアなど幅広く意見が求められそう」(スポーツ紙記者)

 スポーツ庁の鈴木大地長官も競泳競技のOBだ。高校野球は専門外だが、昨年の夏の甲子園大会以降、投球数制限や連投禁止のルール化を訴えてきた。新潟県高校野球連盟(以下=高野連)は独自に今春の県大会で投球数制限を試験導入するが、肝心要の全国を束ねる日本高野連は導入に難色を示したままだ。

「参与は全部で8人。月1回くらいのペースで招集され、意見を求められます。当然、高校野球のシーズンになれば、その議案も盛り込まれるでしょう」(同前)

 桑田氏は少年野球や学生野球の暴力的指導について、強く意見してきた。「暴力でうまくなった選手はいない」と厳しい口調で、改革を訴えた時期もあった。投球数制限のルール化を訴える鈴木長官が質問すれば、元投手の立場から「連投や多投によるリスク」を実体験をもとに明確に語るはずだ。

「スポーツ庁は昨年の日大アメフト部の問題に端を発した学校部活動の暴力的指導を完全解決したいとしています。その同一線上で、投球数制限について議論される可能性もありますね」(ベテラン記者)

 桑田氏には連投の経験談よりも、なぜ、学生野球組織が“球数制限”に慎重なのかを説明してもらいたい。そのうえで、冷静にスポーツ庁との着地点を見出すような意見を主張してほしいものだ。

(スポーツライター・飯山満)

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