2年連続でBクラスが濃厚な巨人でいま、桑田真澄ファーム総監督の1軍スタッフへのカムバック・コールが巻き起こっている。きっかけは大勢の存在だという。
あるOBがこう話す。
「今季の大勢はルーキーイヤーでフル回転した昨季の疲れに加え、3月のWBCに出場したことでコンディションが上がらなかった。右上肢を悪くして2軍で調整していたが、本来なら来季に備えて、無理に1軍昇格させる必要はなかった。ファームでもそんな声が高かった。でも、1人でもピッチャーがほしい原辰徳監督が焦って上に上げて、それが裏目に出てしまった」
大勢は18日のヤクルト戦(東京ドーム)で約3カ月ぶりに復帰登板を果たしたが、昨季の勢いは感じられなかった。21日の阪神戦(甲子園)でも5番手として登板したが、代打ミエセスに5号ソロ、佐藤輝明に21号2ランを浴びて1死も奪えず降板。惨めな姿をさらしている。実際、マスコミ関係者からは「恐る恐る投げている感じがする」(スポーツ紙遊軍記者)という声が大だ。
こんな大勢の姿に、前出のOBも不安を隠さない。
「桑田が1軍投手コーチなら原監督に意見して、まだ上では投げさせていないはず。このままなら、大勢は自信を喪失して使い物にならなくなる。来季以降の巨人にとってもマイナス。じっくりとファームで調整させて、来季に備えた方がいいのに」
また、別のOBはこう話していた。
「桑田氏なら違う起用法も考えるはず。学生時代に故障歴もあり、本来はあまり連投には向かないタイプ。じっくり間隔を開けて先発で起用すれば、それなりの結果は残しますからね」
現在のチーム状況を考えれば、かつてのエース・菅野智之は故障が多くシーズンを通じての登板が望めないため、先発投手は必要だ。また、変則フォームから160キロ近い速球を投げ込む大勢なら十分にその役割は果たせるだろうが、問題は原監督の存在。
「もし原監督が続投すれば、桑田氏が1軍に戻ってくることも大勢が先発に転向することもないでしょう」(前出・遊軍記者)
巨人が来季巻き返すには、原監督の処遇を考えることが一番ということか。
(阿部勝彦)