世界に向けて「コロナウイルス対策は万全」とアピールしている北朝鮮。しかしその内実は、金正恩委員長が「暗殺説」に恐れおののき、大パニックを起こしているというのだ‥‥。
〈新型コロナウイルスはアメリカが金正恩朝鮮労働党委員長を狙って仕掛けた暗殺兵器だった─〉
新型コロナウイルスを巡る国際諜報戦の舞台裏では今、こんな謀略情報まで飛び交い始めている。
外信部記者が言う。
「暗殺説の発端とみられているのは、今年1月、ロシア自由民主党党首のウラジミール・ジリノフスキー下院議員が出演したモスクワ発のラジオ番組。『新型コロナウイルスはアメリカが開発した生物(バイオ)兵器ではないか』と公言したのです。以後、ロシアの政府高官筋からも『新型コロナの発生にアメリカが関与している可能性は否定できない』『一部の国で生物兵器が開発、製造されていることはもはや機密事項ではない』『新型コロナはアメリカのCIA(中央情報局)によって作られた』といった発信が続き、これらの情報は、金正恩の耳にも入っています」
しかも、アメリカによる陰謀説は、北朝鮮内部では「金正恩暗殺説」として流布されており、この情報に異常なまでにおびえているのが、ほかならぬ金正恩委員長自身だというのだ。
事情に詳しい自民党の有力議員が明かす。
「今回の新型コロナウイルスには『糖尿病などの基礎疾患を抱えた罹患者は致死率が跳ね上がる』という特徴がある。金正恩委員長は重度の糖尿病を患っているとみられ、最近の体重は130キロにも達していると言われています。そんな背景もあって、北朝鮮と国境を接している中国にウイルスを持ち込み、金委員長が感染死する形での暗殺をひそかに企てた、との説が浮上しているのでしょう」
新型コロナウイルスは感染力こそ強いが、基礎疾患を持たない罹患者は重篤化せず、自然治癒に至るとされている。つまり、中国経由で北朝鮮内にウイルスを蔓延させ、持病を持つ金委員長を感染死させるには、絶好の兵器になりうるということだ。この有力議員が続ける。
「仮に金委員長が感染を免れたり、感染を克服したりしたとしても、中国など海外との長引く国境封鎖によって、カネとモノの流れは完全に停滞してしまう。北朝鮮は海外からの経済援助や食糧支援がなければ生きていけない国ですから、放っておいても金王朝はやがて体制崩壊に追い込まれていくというのが、今回の暗殺説に見え隠れするもう1つのシナリオです。要するに、アメリカとしてはどっちに転んでも目的は遂げられる、というわけです」
まさに金王朝は疑心暗鬼にさいなまれているというのである。