中国が極秘実施「武漢コロナ予行演習」(中)囁かれる“人工ウイルス説”

 中国発の新型ウイルスを巡っては、かつてSARSウイルスをまき散らしたとして国際的な批判を浴びた「前科」があるだけに、発生当初から情報操作が繰り広げられていた。

 社会部記者が説明する。

「新型コロナウイルスの発生に関しては、主に2つの説がある。1つは、野生動物を媒介にして、自然界からウイルスへと変異したとするもの。02年のSARS(重症急性呼吸器症候群)の場合は、ハクビシンが主な原因となりましたが、新型コロナに関しては、竹ネズミ、アナグマなどが媒介となったことが指摘されている。また、中国当局は武漢市内の海鮮市場で販売されていたコウモリが原因で、しかも『人から人へは感染しない』という虚偽報告をしていた」

 しかし、米医学誌ランセットなどが調査したところ、最初の感染者41人のうち14人が海鮮市場を訪れておらず、市場ではコウモリが販売されていることもなかったという。

「現在まで発生源が特定されないことが、さまざまな憶測を呼んでいる、中でもまことしやかにささやかれているのが、人為的に作られた人工ウイルス説です。湖北省・長江沿岸に位置する武漢は、古くから交通の要衝でしたが、現在は人口1100万人の中国第8位の地方都市。イオンなど日本企業も進出しているが、問題の市場から車で30分ほどのところに武漢ウイルス研究所があり、SARSのほかH5N1インフルエンザ、デング熱、さらには生物兵器として知られる炭疽菌の研究なども進められていた。そのため、当初はこの研究所から漏れたウイルスが市場で広がったのではないかというまことしやかな噂が広まったのです」(社会部記者)

 だが、武漢ウイルス研究所は世界最高基準である「安全基準レベル4」を満たす施設だけに、基本的に漏洩することはありえないというのだ。

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