芝の1200メートル重賞は、父の血統がサンデーサイレンス系よりもミスタープロスペクター系のほうが強い。JRAの芝1200メートルG1は、スプリンターズSを含め、父ミスプロ系が5連覇中。そして、高松宮記念は、特にミスプロ系が強いレースです。
去年勝利したファインニードル、2着のレッツゴードンキは、ともにミスプロ系。17年も1~3着をミスプロ系が独占しました。なお、全出走馬の父系統は亀谷HP「スマート出馬表」にて無料公開されていますので、ご参照ください。
ダノンスマッシュの父は、ロードカナロア。高松宮記念が得意なミスプロ系種牡馬で、自身も13年に当レースで優勝しています。また、ロードカナロア産駒は、母の影響を受けやすい特徴を持っています。
例えば、同じロードカナロア産駒のアーモンドアイは、母が芝の中距離G1エリザベス女王杯を勝ったフサイチパンドラ。アーモンドアイ以外にも母父がサンデーサイレンス系のロードカナロア産駒は、芝中距離適性が上がり、芝のスプリント適性は下がります。
一方、母父がスプリンター種牡馬の場合は、短距離適性が上がり、中距離適性は下がるのです。
ダノンスマッシュは、母父がダンチヒ系のハードスパン。米国型のダンチヒ系種牡馬は、短距離で実績を残す産駒を出しやすい傾向にあり、ハードスパン産駒は短距離で実績を残しています。サンデー系を持たず、母父もスプリント適性が高いタイプのロードカナロア産駒のダノンスマッシュは、スプリンターとして高い資質を持った血統馬なのです。
同馬を管理する調教師は安田隆行師。父ロードカナロアも同調教師が育て、歴史的なスプリンターとして実績を残しましたが、他にもG1を2勝したカレンチャンなど、芝1200メートル重賞勝ち馬を続々と出すスプリンター作りの名人です。
レッツゴードンキも父がミスプロ系のキングカメハメハ(ロードカナロアの父もキンカメ)で、母のマルトクはダートの短距離馬。母父のマーベラスサンデーは、時計のかかる馬場が得意でした。1分8秒台の上がりがかかる馬場になれば、走りやすいでしょう。
モズスーパーフレアも父がミスプロ系のスパイツタウン。こちらは高速馬場が得意な血統ですから、1分7秒を切るようなタイムが出せる馬場がベストです。
亀谷敬正(かめたに・たかまさ) テレビ、専門誌などでカリスマ的人気の若手血統馬券師。HPはhttp://www.k-beam.com 推奨レース、期待値の高いデータ満載の出走表も配信中。コンビニのコピー機でも予想を配信(Eプリント 亀谷で検索)。