カリスマ馬券師・亀谷敬正「プロフェッショナル血統塾」〈馬場状態で「狙う血統」は異なる〉

 菊花賞になると、日頃、血統を頼りにしてらっしゃらない馬券ファンが突然「血統」をアテにしてくださいます。そして、そういう方々ほど、レース後に「血統はアテにならない」と、吐き捨てることも多いようです(当コラムをずっとご愛顧いただいている方は、そんなことはおっしゃらないでしょうけれど、笑)。

 今のJRA競馬では「血統」を馬券に利用する際、距離適性だけでは考えません。同じ距離のレースでも「馬場」によって狙う血統を真逆ぐらいに切り替えます。

 菊花賞も「軽い馬場」の場合、血統に興味がない人でもわかるような「スピード血統」を狙います。

 例えば15年、母父サクラバクシンオーのキタサンブラックが1着になりました。サクラバクシンオーは誰もが知っているスピード血統。この結果を受けて「スピード血統が走るから血統はアテにならない」と、日頃、血統をアテにされない方々はおっしゃるわけです。

 しかし15年のように「軽い馬場」の時こそ、スピードのある血を持つ馬が有利なのです。キタサンブラック以外でも「軽い馬場」で行われた年は「スピード血統」を持つ馬が上位馬の大半を占めます。

 逆に、古くから言われるような「ステイヤー血統」は走りません。凱旋門賞でも走るような「欧州長距離でも強い血統」の馬は、雨が降り続けて「重い馬場」になった時に走るのです。

 競走実績も「軽い馬場」の時は、芝1800メートル以下の重賞実績が重要。昨年の勝ち馬フィエールマンも、芝1800メートル重賞のラジオNIKKEI賞を驚異的な末脚で連対していた馬。同じく「軽い馬場」だった16年も、芝1800メートル以下の重賞で連対していた馬が1〜3着を独占したのです。

 今年「軽い馬場」になって、まさにおもしろいのはカリボール。母父はサクラバクシンオーです。

 実績をもう少し重視するならニシノデイジー。芝1800メートル重賞勝ち馬で、父は先日、開幕週の長距離重賞・京都大賞典の勝ち馬(ドレッドノータス)も出したハービンジャーです。

 一方、「タフな重い馬場」になった場合は、ホウオウサーベルに注目。母父はドイツ血統で、母母父はイギリス血統。古くから「スタミナ血統」と呼ばれるような、「欧州長距離でも強い血統」で固められた血統です。

亀谷敬正(かめたに・たかまさ)テレビ、専門誌などでカリスマ的人気の若手血統馬券師。HPはhttp://www.k-beam.com 推奨レース、期待値の高いデータ満載の出走表も配信中。コンビニのコピー機でも予想を配信(Eプリント 亀谷で検索)。

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