アルゼンチン共和国杯は、「フランス指向の末脚血統」に相性がいいレース。直線が長い2500メートル戦で持久性の高い末脚が要求されるためです。具体的には、グレイソヴリン、ディクタス、キングマンボの血を持つ馬が好成績を残しています。
過去5年で見ると、ハーツクライ産駒が3勝。母父はグレイソヴリン系のトニービン。また、16年はグレイソヴリン系のトニービンの血を持つ馬が1、2着(シュヴァルグラン、アルバート)しました。
昨年2着のムイトオブリガードの父ルーラーシップは、キングマンボ系とグレイソヴリン系の配合馬。11番人気で3着だったマコトガラハッドは、父がキングマンボを持つ馬です。
ディクタスを持つ馬では、昨年の勝ち馬パフォーマプロミス。14年はフェイムゲーム、クリールカイザーが1、2着しました。
以上の血統を持つ馬の中でも、まだ底を見せていないフレッシュな馬に注目。キャリアが少ない馬で、重賞出走回数が少ない馬が、このアルゼンチン共和国杯で好走しているのです。
過去5年の出走馬で、キャリア15戦以下だった馬は複勝率62%。前走条件戦出走馬で、前走の上がり順位が3位以内の成績が優秀なのも、末脚のしっかりとしたフレッシュな馬だから。
これらに該当する馬は、過去5年で複勝率50%、複勝回収率1545%です(前走の上がり順位は亀谷ホームページのスマート出馬表を参照してください)。
アフリカンゴールドの父がディクタスを持つステイゴールド。昨年の同レース勝ち馬、今年の同コース重賞目黒記念も勝ち馬はステイゴールド産駒でした。さらに前走は条件戦でメンバー中3位の末脚で、キャリア13戦のフレッシュな馬。馬主はゴドルフィン。牝系のレベルは、社台ノーザンファームグループにも劣らない良血です。
アイスバブルは、母父がキングマンボ系のキングカメハメハ。キャリア12戦のフレッシュな馬です。また、同馬は前走より距離が延びる臨戦過程が得意で、逆に距離を短縮する臨戦過程は苦手です。同コースの2走前の目黒記念は前走よりも100メートルの距離延長。逆に人気を裏切った前走の小倉大賞典は500メートルの距離短縮(ということで、同馬を人気よりも評価を下げて予想を的中させました)。今回は順当に巻き返す番です。
亀谷敬正(かめたに・たかまさ)テレビ、専門誌などでカリスマ的人気の若手血統馬券師。HPはhttp://www.k-beam.com 推奨レース、期待値の高いデータ満載の出走表も配信中。コンビニのコピー機でも予想を配信(Eプリント 亀谷で検索)。