鳥谷敬のロッテ入りをアシストしたのはドラ1佐々木朗希だった

 3月10日、虎のレジェンド・鳥谷敬の千葉ロッテ入りが正式に発表された。「ロッテ入り」と聞いて、「やっぱり!」の声が多く聞かれたのは、鳥谷と井口資仁監督との“ただならぬ関係”が以前から有名だったからだろう。

「確かに、井口監督は現役時代、鳥谷と一緒に自主トレに出掛けるなど親密な関係にありました。鳥谷は『どこでもいい、現役を続けたい』との考えで、条件などのこだわりはなかった。だとしたら、今回の入団発表は遅すぎます」(スポーツ紙記者)

 ロッテでの推定年俸は1600万円。ロッテ入りがこじれた理由として、もっとも多く囁かれているのが、鳥谷とロッテの間に立った“第三者”の存在だ。球団との交渉にあたったエージェントが、鳥谷が要望していないことまで話し合いの場に持ち出したそうだが、鳥谷自身は昨年末にテレビ出演した際、その話はキッパリ否定している。

 では、なぜロッテは鳥谷の獲得をこの時期に決めたのか。その答えはグラウンド内外にあった。

「まず、二遊間を任せる藤岡裕大、中村奨吾、西巻賢二、福田光輝らの調子が上がってこないこと。そして、『内野手専念』を希望する平沢大河もまだ守備難を克服していない。そこで、内野層を厚くしておきたいという思惑と合致したんです」(スポーツ紙記者)

 チームとしての戦力アップに加えてグラウンド外の「金銭事情」も興味深い。

「営業面でも鳥谷の獲得は大きなプラスと判断されました。昨年度の決算でロッテは創設50年目にして初となる2期連続の黒字化に成功。これが昨年オフの強気なFA補強につながったのですが、阪神のグッズの売上げも分析したところ、高山俊が入団した2016年を除いて、阪神の選手グッズの売上げトップは鳥谷だったそうです。その鳥谷グッズのロッテ版を作れば、確実に儲かるとの算段でしょう」(球界関係者)

 ロッテファンだけでなく阪神ファンもこぞって購入すれば、大きな収益となる。実際、ロッテは佐々木朗希のグッズを自主トレ期間中に前倒しで販売するという異例の措置を行った。その売上げと反響の高さは、改めて説明するまでもないだろう。鳥谷はドラ1ルーキーに続く二匹目のドジョウってワケか……。

(スポーツライター・飯山満)

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