まるでブームのようにIT各社がこぞって参入したスマホ決済。あまりに乱立してどこがどうやらあまり整理がつかない人も多いだろうが、とうとう生き残りをかけた本格淘汰の時に突入したようだ。
1月23日にメルカリのキャッシュレス決済子会社メルペイがスマホ決済のOrigamiを買収、完全子会社化すると発表した。
「買収価格は非公表ですが、会社の時価総額は400億円ちょっと。業界最大手のPayPayが昨年に総額100億円のキャンペーンを行ったりしましたが、それを考えればOrigamiの体力の差は明らか。『弱者連合』などと揶揄されています」(経済ジャーナリスト)
昨年9月にあるシンクタンクが行ったQRコード決済サービスの利用調査では、上位3社はPayPayの44%、楽天ペイ17%、LINEペイ14%で、メルペイは5位の4%でOrigami Payは8位でわずか0.7%。昨年11月に旧ヤフーのZホールディングスとLINEが経営統合を発表したので、単純計算でこの“強者連合”シェアは58%になる。一方で、今回の統合はほとんどそのパーセンテージは変わらない。“弱者連合”と言われても仕方ないのが現実だ。
「それだけ両社は焦っていたんでしょう。メルペイはNTTドコモ、KDDI、LINEとスマホ決済での加盟店のアライアンスを結んでいましたが、ヤフーとLINEの経営統合で白紙となりました。オリガミは信金中央金庫との資本業務提携で地方に強いのが強みですが、いかんせん地味。吸収を待っていたというのが実情でしょう」(同前)
スマホ決済の世界は、より多く顧客を囲い込んだ者が勝ちとなるので今回は序の口、近いうちにさらなる再編が行われるのは必至だろう。
(猫間滋)