スマホ決済サービス「セブンペイ」(7pay)廃止の余波が収まらない。
8月1日、セブン&アイ・ホールディングスは緊急会見を開き、「セブンペイ」を9月末で終了させることを発表。「十分な安全対策を講じるのに時間がかかるため、利用者の不安を解消してサービスを続けるのは難しい」と判断したという。
「『セブンペイ』は、7月1日のサービス開始直後から第三者にアカウントを乗っ取られ、不正利用されるなどの被害が相次いでいました。総被害額は7月末の時点で800人分、約3860万円に上るそうで、同社は被害者に全額を補償すると説明しています。日本のトップ企業が繰り出したサービスが、わずか1カ月で終了を迎えるというのは異例中の異例。他の同種の決済サービスの動きに遅れを取るまいとした焦りが、今回のような結果を招いたとの指摘もあります」(経済評論家)
これに利用者からは当然、驚きの声があがっているわけだが、同時に聞こえてくるのが、「ナナコ」(nanaco)のポイント還元率についての訴えだ。
「『ナナコ』はセブンが提供するポイント付帯サービスのある電子マネーですが、当初1%だったポイント還元率が『セブンペイ』のスタートに合わせ0.5%に引き下げられていました。そのため、『ナナコ』利用者からは、《早くポイントを1%に戻してくれ!》との声が続出しているんです。セブンは今回、被害者への補償のみならずシステム費や広告費など億単位の損害があるのは間違いないでしょうが、ここで『ナナコ』の利用者を裏切るようなことがあれば、信用はさらにガタ落ちする危険を孕んでいるんです」(社会部記者)
1日の会見でセブンは「ナナコ」の還元率について「改めて検討する」としているが、その結論に注目だ。
(小林洋三)