今年2月、アルバイト店員が店内で露わにした下半身をお盆で隠す不適切動画をネット上にアップした“バイトテロ”で大騒動となった、外食チェーン「大戸屋ごはん処」。運営する大戸屋ホールディングスはこれを受け、3月12日に店舗の8割を休業させ、再発防止のための研修を行った。
「『大戸屋』が287店舗を休業したことに対し、世間では《再発防止策をしっかりと行っていることに好感が持てる》《バイトテロのせいで被害に遭っているのに、売上度外視で研修とか素晴らしい》《最高の対応。明日からまた行きたい》など、インターネット上には応援する声が多数あがりました。しかし、その一方で《それはやりすぎなのでは?》という、ある問題も指摘されているんです」(ネットウオッチャー)
ある問題とは、3月4日に大戸屋ホールディングスが、「国内店舗を休業して研修をおこなうお知らせ」を文書で通知しているのだが、同時に出された「業績予想の修正に関するお知らせ」の内容だ。そこには、3月期通期の連結業績予想を下方修正する旨が書かれ、その理由として「今回の事案(※バイトテロ問題)による下記影響及び最近の経営環境を鑑みて、通期連結業績予想を修正いたしました」と書かれており、これに批判が集まっているのだ。
「『大戸屋』の業績が悪化したのは、商品を値上げした経営方針が主な原因と見られているんです。2001年あたりまで600~700円台だった定食メニューが、現在では800~1000円台が主流になっており、客離れが止まらない状況になっている。それにも関わらず、今回の“お知らせ”では、あたかもバイトテロが業績を悪化させた主因のように記されている。そのため投資家などからは《調子悪い責任をアルバイトに転嫁ですか》《去年の値上げで業績悪化したのをアルバイト店員に被せるというウルトラC》などの揶揄する声があがっているんです」(経済評論家)
果たして、経営陣の思惑は?
(小林洋三)