「竹鶴」3種も終了…“年代物”が続々消える酒造メーカーの悩ましき背景

 ニッカウヰスキーが、主力商品である「竹鶴」のうち、熟成年数が入ったエイジド品「17年」「21年」「25年」の3種類を今年3月いっぱいで販売終了することが明らかとなり、ウイスキーファンからは惜しむ声が相次いでいる。
 
「ニッカでは14年に『余市』『宮城峡』のエイジド品が終売となっており、他メーカーでも終売、休売となるエイジド品の銘柄が増えている状況で、残念な限りです」(飲食店関係者)

 この背景には、2015年のNHK連続テレビ小説「マッサン」の放送あたりから続く国産ウイスキーブームがある。現在もウイスキーを炭酸で割るハイボールが大人気で、ウイスキーの出荷量は14年からの5年間で1.5倍にまで伸びているのだ。
 
 また、国産ウイスキーのエイジド品は海外でも評判で、昨年8月にはベンチャーウイスキーが販売する「イチローズモルト・カードシリーズ」54本セットが香港の競売で1億円近い値段で落札されたほど。最近では投資対象としても高値で取引されるなどジャパンウイスキー人気は過熱しており、その影響もあってエイジド品の原酒が枯渇しているのである。
 
「ウイスキーは生産して出荷するまでに最低でも3年の熟成が必要となります。10年以上のエイジド品には当然それだけの年数が掛かるわけで、突如としてブームが到来してもそれに対応するだけの数を用意するのは至難の業となります。今、国産ウイスキーブームだからといって10年後も人気が持続しているとは限らないので、安易に生産量を増やすわけにもいかず、作り手には難しい選択が迫られている状況なんです」(経済ジャーナリスト)

 今後もますます国産ウイスキーのエイジド品は入手が困難になりそうだ。

(小林洋三)

ライフ