「山崎」や「白州」のジャパニーズ・ウイスキーで知られるサントリーはシングルモルトウイスキーの「山崎55年」を販売すると発表した。55年モノということはそう、1964年の前回の東京オリンピックの翌年に当たる。そこで「山崎55年」では、1964年以前に仕込んだモルト原酒のみを使って作られている。
となればウイスキー好きなら手に入れたくなるところだが、気になるのは値段。今回は100本限定の抽選販売とのことで入手はなかなか困難な上、その値段はなんと700ミリリットル瓶で税抜き300万円の超高級酒だという。そんなヴィンテージものでなくともこのところ久しく日本を代表するウイスキーの「山崎」は入手困難な状況が続いてきた。
「08年頃からハイボール人気でウイスキー自体の需要が高まり、そこへ15年にNHK朝ドラの『マッサン』が始まったことでウイスキー・ブームになりました。ウイスキーの生産は熟成が必要なので時間がかかります。サントリーでは『山崎』以外にも『白州』や『響』を計画出荷していますが、それ以上に需要が高まって居酒屋やバーから『山崎』が姿を消すという状況になったんです」(経済ジャーナリスト)
さらにはジャパニーズ・ウイスキーのクオリティーの高さはもはや全世界で知られるところ。サントリーが販売した過去最高の高額商品は05年に発売した「山崎50年」の100万円だったが、2011年にはこの「50年」がオークションでなんと、30倍以上の3250万円で落札されたことがある。今度の商品は単純計算で3倍の値段。しかも100本限定の抽選商品なのでさらなるプレミアが付き、今度は3倍以上の「億」単位での落札なんてことがあるかもしれない。
(猫間滋)