昔は、どこの家庭でも高級な洋酒があれば、棚に置いて飾ったものだ。でも、あの洋酒を飲んだ記憶がない。もちろん、捨てた覚えもない。どこにしまい込んでしまったものか。
昨年、スコットランドで60年モノのウイスキー「マッカラン」が競売にかけられた。ついた値段がなんと約1億2500万円。世界に24本しかない代物だそうで、そこまで貴重なウイスキーを棚に飾ったことはないにしても、我が家にあった洋酒が1万分の1ぐらいの値段になるかもしれないのだ。経済誌記者が話す。
「中国でウイスキーブームが続いていて、世界的に値段が高騰しているのです。マッカランを1億円以上で落札したのも、中国の富裕層でしょう。中国人観光客が日本でウイスキーを爆買いして行くのも転売目的。もはや、ウイスキーは投資対象なのです」
そのため、酒類買取業者ではウイスキーに人気が集中している。例えば、某業者のサイトでも高値買取の上位を占めるのはウイスキー。サントリーの「山崎35年」が300万円、「山崎25年」が63万円と、国産ウイスキーが健闘中だ。
「中国人は『山崎』と『マッカラン』に目がないせいでもありますが、日本ウイスキーの評価が国際的に高まっていることも一因です。シングルモルトの限定品が高値になる傾向にありますが、『山崎』以外の国産ウイスキーも高騰しています」(同)
眠っているウイスキー。今こそが売り時なのだ。