東京五輪まで200日を切った。開幕式が行われる新国立競技場が完成し、札幌開催となるマラソン&競歩コースが確定するなど、日増しに盛り上がりをみせているが、「酷暑問題」は何もマラソンだけの話ではない。スポーツ紙記者が明かす。
「昨年、大腸菌問題に揺れたトライアスロンの会場はお台場海浜公園。そのすぐ近くの潮風公園が会場となるビーチバレーにしても、砂浜の温度が50度を超えるとの指摘もある。さらに馬術競技が行われる海の森クロスカントリーコースでは、2億〜3億円もする高額な乗用馬が暑さでバテバテになることが心配されています。まだまだ『酷暑対策』に不安を残す競技会場があり、有力選手の辞退が続出しても不思議ではありません」
選手だけでなく、観戦者への対応も遅れている。埼玉県川越市の「霞ヶ関カンツリー倶楽部」が会場となるゴルフは、1日1万人以上の来場者数が見込まれており、危険がいっぱいだという。ゴルフジャーナリストの宮崎紘一氏によれば、
「日陰が少なく、ミストシャワーの設置もままならないだけに、年配者や子供が熱中症で倒れてもおかしくない。気象予報関係者から『日本一、暑い場所』と指摘される地域だけに、自滅行為とも言えます」
宮崎氏は昨年6月、9時スタートでプレーした。
「8時の練習で汗ビッショリ。8月には42度を上回ることが想定できるだけに、『ファンを殺す気か!』と言いたいぐらいですよ」
各会場で「熱中症パニック」が起こらないことを願うばかりだ。
選手だけでなく、観客にもしっかりと「おもてなし」をしてもらいたいものだが、外国人選手たちの前評判はアッチのほうでも。スポーツライターが話す。
「まずは『宅配便』です。大事な道具が指定した時間、場所に壊れることなく届く。日本では当たり前だけど『海外では預けられない』と話す選手が多い。それともう一つ、夜のおもてなしとも言える避妊具に興味を抱いている選手もチラホラ‥‥」
避妊具の無料配布は、88年の夏季ソウル五輪からHIVの感染の広がりを受けてスタートした。スポーツ紙記者が振り返る。
「各大会で五輪モデルのオリジナルパッケージが人気を呼び、常に話題になってきました。16年のリオ五輪ではジカ熱の影響などから、12年ロンドン五輪の3倍の45万個が配布。『お土産に最適』と選手たちの間で大人気でしたが、東京五輪で『世界初の0.01ミリ』とうたわれる超極薄のジャパンクオリティを手にしたら、争奪戦になることでしょう」
日本では98年長野五輪で提供実績があり、メーカー関係者によれば「今回は4社の合同提供で各社4万個、計16 万個の予定です」とのこと。選手の口コミにより、日本製の「超極薄」が世界で大流行するかもしれない。