石川遼「選手会長続投」か「五輪の夢舞台」か究極の二択

 プロゴルファーの石川遼、渋野日向子の口から「東京五輪」を意識したコメントが聞かれる。しかし、石川遼の「オリンピックに出たい」発言はファン向けのリップサービスかもしれない。

「女子の五輪出場レースは、畑岡奈紗と渋野、それを鈴木愛が僅差で追い掛けている構図です。来春もツアー後半の調子を維持できれば、渋野が出場する可能性は極めて高い」(専門誌記者)

 ゴルフの代表選手は、国際ゴルフ連盟(IGF)による「オリンピックゴルフランキング」で決定する。同15位までに入れば、最大4人までが出場でき、同16位から60位までの選手に関しては「11カ国2人まで」となっている。1カ国の出場枠は最大4人なので、仮に日本人選手が15位以内に3人いれば3人とも出場できるが、「15位以内に2人、16位以下60位以内に3人」となった場合、下位の1人は出場できない。

 そのオリンピックゴルフランキングを見てみると、女子は畑岡が5位、渋野が12位。鈴木が17位(12月22日時点)。男子は松山英樹が14位、今平周吾が18位、石川遼は82位と苦戦している。もっとも、最終決定は2020年6月なので、石川が出場する可能性は残されている。だが、

「ランキングはツアーの成績に応じて加点されて動きます。計算方法は世界ランキングのポイントとは異なりますが、IGFは『ポイントは各イベントでの最終順位に基づいてプレーヤーたちに付与され、IGF が認証したポイント配分表したがって、より強いフィールドでのパフォーマンスではより多くのポイントを獲得する』としており、海外のビッグトーナメントで成績を残せば、大きな加点につながります」(前出・同)

 つまり石川が五輪出場を目指すためには、国内ツアーを制限し、米国など加点の多い海外ツアーへの出場回数を増やさなければならない。4大メジャー大会を1回でも制すれば、一気にランキングはアップする。だが、日本国内のツアーは加点が少なく、石川は最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」を含めて2019年に3勝したが、ランキングへの反映は微々たるものだったのだ。

「石川はツアー選手会長の任期を終えたばかり。周囲は再選を勧めています。というのも、石川はツアー主催者との打ち合わせ、子どものゴルフ教室など、20代とは思えないほど裏方の仕事を精力的なこなしていました。それもゴルフ人気の低迷に歯止めを掛けたいという一心です」(スポーツ紙記者)

 女子は“しぶこ”の出現で盛り上がっている。石川は男子ツアーの人気回復のために「自分が客寄せパンダになってでも」と思っている。五輪出場という個人の夢と、男子ゴルフの人気回復の二択を迫られている。

(スポーツライター・飯山満)

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