「酒イジメ」内閣に飲食店の怒髪天!(3)繁華街に広がる「居酒屋の輪」

 大衆文化をこよなく愛す、作家の亀和田武氏も居酒屋を擁護する側に回った。

「正直、2度目の緊急事態宣言までは闇営業している店ってちょっと嫌だなって思ってました。しかし、今回は大いに居酒屋に同情しています。給付金が遅い上に、政府の要請で金融機関からの融資打ち切り、酒卸から取引停止まで脅され、追い詰められて営業を再開させる居酒屋を非難する気持ちはまるで起こりませんね。国民感情もなんとか居酒屋に頑張ってほしいという機運が高まっている」

 もはや、梅雨明けの盛夏、居酒屋で冷えたビールをあおってこの憂さを晴らすしかないだろう。政治部デスクが明かす。

「もっとも、西村大臣1人で国税庁を動かせるわけはなく、菅内閣も了承していた。東大ボクシング部出身の西村氏はラッシュが得意で、金融機関、酒類販売業者などあの手この手で手数を稼ぎ、経済再生相として存在感をアピールしようとした。実は秋の総裁選出馬を狙っていた」

 経済再生どころか、居酒屋潰しの経済崩壊担当相に成り下がったバカタレに明日などない。立ち飲み店店主が言う。

「趣旨が十分に伝わらなかった? 居酒屋イジメしたい魂胆が十分伝わったね。でも居酒屋を吊るし上げたところで、24時間酒を販売しているコンビニを止めなければ、若者の路上飲みは止まらないだろ。コロナ対策で頭がいっぱい? 批判でメッタ打ちされたボクサー脳としか思えないね」

 もはや新宿、渋谷、新橋、銀座と、緊急事態に一斉蜂起するがごとく営業を開始する居酒屋の輪が広がっている。まさに令和の居酒屋一揆だ。

「日本でなければ大規模な居酒屋一揆が起きても不思議ではない。政府は東京五輪を家で静かに観戦しろというが、公道で聖火リレーもできないのに、五輪など開催できるわけがありません」(佐藤氏)

 それでも、23日からは無観客での東京五輪が開幕。政府はノンアル気分で観戦を促すが、冗談ではない。亀和田氏が物申す。

「未曽有のコロナ有事に理念なきまま日本で五輪を開催しようとしている今の状況は、太平洋戦争に重なります。無能な菅内閣の最後の頼みの綱はワクチン接種でしたが、河野ルートは頓挫。やむなく五輪開催のために緊急事態をまたしても発令し、居酒屋だけをスケープゴートにした。菅内閣はもはや完全に国民を敵に回したも同然。退陣していただくほかありません。五輪中継なんて観たくない。MLBの大谷選手のプレーを観戦しようよ」

 昨年3月、安倍前総理は大見栄を切って「完全な形で実施する」と1年延期を独断で決めた。その後、変異種の流行でその見込みは断たれ、無残にも史上初の無観客開催。おまけに五輪特需もなく、大赤字のツケ払いだけさせられるなんて、もはや飲まなきゃやってられんぜよ!

*「週刊アサヒ芸能」7月29日号より

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