2019年「スポーツ界の新星」に迫る(2)久保健英「18歳の決断」の背景

 令和元年のサッカー界には、ズバ抜けた輝きとオーラを放つ新星が誕生している。

 6月4日に18歳の誕生日を迎え、その10日後に世界最高峰のサッカークラブ、レアル・マドリードへの移籍を発表した久保建英は、かねてより“神童“と謳われてきた天才サッカープレーヤーだ。

 所属していたFC東京がJリーグで首位を走り、絶対的なチャンスメイカーとして君臨していた久保だったが、レアルへのステップアップを迷うことはなく、すぐさま契約。夏には同チームのプレシーズン合宿に参加し、スペイン代表DFセルヒオ・ラモスやドイツ代表MFトニ・クロース、ベルギー代表MFエデン・アザールといった同クラブが誇るワールドクラスの面々らとトレーニング場を共有すると、シーズン開幕前に同じスペインのマジョルカへレンタル移籍することを発表。マジョルカでは早くもゴールにアシストと結果を残し、本場のファンを驚かせている。

「日本のサポーターからは、レアルに残って、たとえベンチ生活でもワールドクラスの一流プレーヤーから多くを学んで欲しかったという声もありました。元日本代表の本田圭佑も、久保がレアルからの期限付き退団をした決断を“残念“だと話していましたが、本人からすれば、試合に出場することを優先したいというのが本音でしょう。レアル・マドリードは世界でもトップの財力を誇るクラブであり、在籍する選手を激しくふるいにかけながら常に新陳代謝を図ることでも知られるため、新人プレーヤーをお試しで起用することはほとんどありません。ここで悪戦苦闘するよりも、他チームで信頼を高めた上で再トライしたほうが賢明な判断とも考えられます」(スポーツライター)

 いずれにせよ、長く日本代表でキーマンの役割を担ってきた本田や香川真司らの後継となりうる頼もしいニューカマーが台頭したことはうれしい限り。すでに風格さえ漂わせる18歳には、スペインの地でさらに世界を驚かせてほしいものだ。

(木村慎吾)

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