今年の女子ゴルフ界は、成人式を迎えたばかりの「黄金世代」が席巻。樋口久子以来42年ぶりに海外メジャー制覇を果たした渋野を筆頭に、若きヒロインたちがツアー39戦中12勝と、海外勢の10勝を上回った。とはいえ、新聞やテレビで報じられているような華々しいことばかりではない。オンナ同士の熾烈なバトルの舞台裏を関係者が一挙大放出!
─最終戦までもつれた賞金女王争いは今年1年を象徴するような戦いでした。
A(スポーツ紙記者) 確かに。17年の賞金女王・鈴木愛(25)を「黄金世代」の渋野日向子(21)と、韓国&米国に続いて3ツアー女王を狙った申ジエ(31)が追う展開。最後は鈴木が逃げ切って女王に返り咲きました。
B(民放局デスク) ツアー39戦中、鈴木は25試合で7勝、黄金世代が12勝(渋野は31試合で4勝)。海外勢が10勝止まりだったのは11年ぶりのこと(申ジエは27試合で3勝)。日本勢が強いとツアーはおもしろいし、人気を呼ぶよね。
C(ゴルフ誌カメラマン) ただ、カメラマンや記者泣かせの選手も多かった。最終戦の表彰式のあと、上位3人のスリーショットは撮らせてくれたけど、彼女たちはプレー中に言葉を交わさないから。まあ、渋野は今オフの結婚を発表したイ・ボミ(31)に「なれそめは?」なんて、ラウンド中でも直球の質問をするほどフランクだけど。
D(日本女子プロゴルフ協会関係者) 若き「黄金世代」に対して、鈴木はダンマリを決め込んで、申ジエはスロープレーでプレッシャーをかけていた。
A 申ジエは手首などのケガを抱えているとはいえ、遅延ぶりは評判が悪い。原英莉花(20)なんて露骨に嫌がっていましたよ。
D 鈴木も体調的にはいろいろあった。タクシーに乗っていて事故に巻き込まれて腰を負傷したのが4月。それが原因で5月には最終日のスタート前に棄権したこともあったし、9月末から腹痛で4戦も欠場した。
B 「うどんしか食べてない」と話していたけど、安倍総理も患っている難病「潰瘍性大腸炎」という噂も聞こえてきた‥‥。
D 男子プロにもいて、症状などが似ているらしく、女性の場合、発症年齢のピークは25〜29歳とも。いずれにしても、そうした中での賞金女王は、おみごと!
C 鈴木と渋野の関係については、契約しているメーカーが同じ「PING」ということでライバル視されてるけど、渋野にとっては近寄りがたい大先輩って感じだな。
A 渋野は昨年の獲得賞金額がゼロで、QTランクは40位。ツアー開幕戦に出場できず、2戦目にウエイティングの末、やっと出場を果たして最終日に鈴木と同組になりました。しかし、この時は挨拶しか交わせず、初めて鈴木と会話をしたのは「全英女子」の直前。海外戦へ向けてのアドバイスだったそうです。
C そのメジャー戦で鈴木は予選落ちして、渋野が樋口久子(74)以来42年ぶりの優勝を果たして凱旋帰国。これもまた因果なものだった。
D あれはまさに無欲の勝利。なんせロンドンに着いて真っ先に取った行動が観光だから。それも定番のビッグ・ベン。普通、観光するなら大会後でしょう。
B まあ運もあったよね。通常は英国名物のリンクスコースだけど、今年は日本に似た林間コースだった。
C それに初日、6アンダーで暫定首位の好発進。これでお上りさん気分も吹っ飛んだ。当時は所属先のRSK山陽放送の局員が臨時でマネージャーを務めていて、ブルーのアフロヘアや富士山のかぶり物などで渋野を和ませていたのもよかった。
A でもその局員、あとで上司から大目玉を食らったんですよね。
C そうみたい。
B そして首位で迎えた最終日。キャディーを務めた青木翔コーチが「実は私、朝に嘔吐しました」というぐらいプレッシャーはハンパなかったって。それで優勝でしょ。やっぱり、しぶこの強心臓ぶりは謎だよね。
A 最近では10月末の米女子ツアー「台湾選手権」への突然の参戦表明にも慌てさせられました。「全英女子」の直後、来季の米女子ツアーの参加資格を得たけど「行きません」って興味なさそうだったのに、10月4日の「日本女子オープン」2日目、急に推薦枠での出場が発覚したんですから。
C あの時は同じ組で回っていた畑岡奈紗(20)が渋野について聞かれて「台湾で一緒なんで楽しみ」と、何気なしにポロッと明かしちゃったんだよな。
A そうです。それを聞いた記者たちは一斉に裏取りに走りましたから。
D 確かにあれには参った。「台湾選手権」は樋口久子相談役が冠の「三菱電機レディス」と重なっていて、関係者がスポンサー筋と調整している最中だった。なので正式発表は10月7日まで待ってもらったのに。
B いわゆる「大人の事情」ってヤツね。
D そういうこと(笑)
A:スポーツ紙記者/B:民放局デスク/C:ゴルフ誌カメラマン/D:日本女子プロゴルフ協会関係者