番長・清原和博が野球イベントでの登場機会を増やしている。時を同じくして、新庄剛志が現役復帰を表明した。復帰カウントダウンが騒がれる奇妙なリンクの裏で、スーパースターが動けば金も動く。政界をも巻き込んだシナリオの全貌に迫ろう。
12月1日にダイワハウススタジアム八王子で野球イベント「レジェンド・ベースボール・フェス」が開催された。
このイベントは清原和博(52)のPL、西武の後輩である野々垣武志氏(48)が代表を務める一般財団法人「グリーンシードベースボールファンデーション」と八王子市教育委員会が主催の野球教室で、子供から大人までの幅広い年代の人たちが元プロ野球選手からキャッチボールなどの指導を受けられる内容だった。元プロ選手の顔ぶれはかなり豪華で、大魔神こと佐々木主浩氏(51)や今季までヤクルトでヘッドコーチを務めていた宮本慎也氏(49)がコーチとして参加。野球教室と並行して開催されたトークショーでは、清原がPL学園への進学を決めた理由について「練習を見に行って、大した選手がいなかったから(笑)」と、茶目っ気たっぷりの笑顔で冗談を飛ばして会場を和ませるシーンもあった。
笑いあれば涙あり。清原が、イベントの最後に挨拶を済ませると〈THE BONDS WITH COMRADES NEVER CHANGE(仲間との絆は永遠)〉と書かれたTシャツを着た西武やPL学園の同僚や後輩に囲まれて涙ぐむシーンもあった。
背中には〈いつも、バッティングを教えてくれてありがとう これからも元気でいてね〉と息子たちのメッセージが書かれており、終了後の記者会見でも「息子たちのためにも、本当に頑張っていこうと思いました」と再び涙がボロボロ。人一倍繊細な面が垣間見られた一幕だった。その一方で「お寒いイベントだった」と不評なのが、前日の11月30日に明治神宮野球場で開催された「ワールドトライアウト2019」だ。
「ゲストの東尾修氏(69)が『清原監督を見にスタンドにたくさんのお客さんたちが来てくれて‥‥』と、感慨深げに話していましたが、球場は空席が目立っていましたよ。肝心のトライアウトも高いレベルとはいえず、西武をクビになった高木勇人(30)がMVPを獲るぐらいでした。『年末特番の石橋貴明のリアル野球BANのほうがマシ(笑)』という声もささやかれていたほど。5球団ほどメジャー関係者が来ていたと報じられていましたが、スピードガンやスコアブックを持つスカウトは皆無。期待していたNPBスカウトの来訪もなく、運営会社の代表もイベント後の囲み取材で『そこが今後の課題ですね』と落胆を隠しきれない表情で答えていました」(スポーツ紙記者)
清原監督が大々的に報じられ、注目を集めたイベントだったが、いざ蓋を開けてみると、選手集めにも苦労し、興行として成り立っているのかに疑問符が付いた。結局、アスリートファーストならぬ「清原ファースト」を拭えないイベントだったのだ。