ウーバーイーツ「報酬引き下げ」で利用者が懸念する“トラブルの続発”

 フードデリバリー「ウーバーイーツ」の労働組合が12月5日、会社から一方的に報酬を引き下げられたとして東京都内で記者会見を行った。これまで数多くのトラブルが起こっていただけに、ネット上では報酬の引き下げによって配達員のサービスの質がさらに低下するのではないかと心配の声も上がっている。
 
「労組の執行委員長によれば、11月20日にウーバー側から配達員に送られたメールで東京エリアにおける配送料の改定を知らされたといい、11月29日から“飲食店からの受け取り料”が300円から265円に、“注文者への受け渡し料”も170円から125円に、配達距離による1キロあたりの“距離報酬”も150円から60円にそれぞれ引き下げられたといいます」(社会部記者)

 執行委員長はウーバーによる説明会で配送料改定の理由を尋ねたたが、「配送料改定について企業秘密としか言われず、合理的な説明はなかった」として団体交渉を申し入れたのだが、ウーバー側は「配達員は会社が雇用する労働者にはあたらない」と、応じない構えを見せているという。
 
 こうした事態にネット上では《配達員は従業員じゃなくて個人事業主。ウーバーの言い分は間違ってはいない》《この値段でやれないならどうぞやめてくださいって話だろう》《もっと稼げる仕事なんていくらでもあるだろう》など配達員に対して厳しい意見も多く、《ウーバーイーツって配達員が問題起こしているイメージあるけど、報酬引き下げでまたトラブルが増えるんじゃないか》と心配する声も少なくない。
 
「ウーバーイーツの配達員によるトラブルは確かに多く、今年10月にはフリージャーナリストの石野純也氏がツイッターに投稿した『Uber Eats頼んだら、配送30分ぐらい遅れたうえに、スープこぼされてグチャグチャになってたから受取拒否したら、マンション共有部分に投げ捨てられてた』との投稿が大きな話題となりました。報酬が下げられたことにより、配達員はより多くの仕事をこなさなければならず、1軒1軒に対するサービスの質の低下が起こる可能性は十分にあり得ると思います」(経済ジャーナリスト)

 日本では、まだまだ過渡期にあるサービスと言えるのかもしれない。

(小林洋三)

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