「資さんうどん」に続き「うちだ屋」も全国展開へ…福岡が新たな「うどん県」に名乗り!

 うどん県といえば、讃岐うどんで知られる香川県。県ホームページによると、人口1万人あたりの店舗数は5.08軒で全国1位。外食におけるうどんの年間支出額も高松市が毎年1位だ(※総務省「家計調査」より)。

 ただし、そんな香川県の地位を脅かす存在として台頭してきたのが福岡県。九州最大のうどんチェーン「ウエスト」は神奈川に5店舗、東京にも1店舗を展開。また、すかいらーくグループの傘下となった北九州発の「資さんうどん」は昨年11月には千葉県、今年2月は両国(東京)に相次いでオープン。いずれも連日大入りの人気ぶりだ。

 そして、両チェーンに続く福岡のうどん第三の刺客として注目を集めているのがうちだ屋。現在は九州各県で42店舗を展開中だが、3月末にホリエモンこと実業家の堀江貴文氏が経営戦略顧問を務める株式会社こむぎのによる買収が発表。4月に同社から発表されたリリースでは、全国展開を目指すこと、5年後には80店舗超の展開を目標に掲げていることが明記されている。

 堀江氏は4月、自身が会長を務めるラジオ局の番組に出演し、うちだ屋の買収を報告。「かつおだし、すごいいいだしが利いていてめちゃくちゃおいしい。お店の雰囲気もチェーン店なのにチェーン店っぽくない。昔からある町のうどん屋さんのような趣がある」と絶賛している。

 福岡のうどんは、やわらかい麺が特徴で子供や高齢者でも食べやすい。ただし、人口あたりの店舗数は全国21位。24年のうどん年間支出額も福岡市が12位、北九州市は14位とそこまで多いわけではない。

「豚骨ラーメン人気が根強く、地元民の間でもうどんは普段からよく食べる人、あまり食べない人に二極化しています。ただし、昔から食べられているソウルフードだったことは間違いありません」(飲食業界誌記者)

 丸亀製麺、はなまるうどんの業界ツートップはあまりに強力だが、今後5年10年で福岡系うどんチェーンが店舗数を増やすのは確実と見られ、勢力図が塗り替えられる可能性は多いにある。

「個人店舗が主体の香川県に対し、福岡はローカルチェーンが中心。全国展開を目指すチェーンが増えたのは、多店舗展開しやすい業態であることも大きいと思います」(同)

 うどんを巡る香川、福岡による覇権争いからも目が離せない。

※写真は「うちだ屋」

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