ハワイにある「丸亀製麺」では連日行列ができるなど日本のうどんが世界でブームとなっているが、一方で吉野家ホールディングス傘下の「はなまるうどん」は中国からの撤退を表明し、海外の店舗がゼロになることがわかった。
「『はなまるうどん』は2011年に上海市内の商業施設に1号店をオープンして中国進出すると、18年には37店まで店舗を拡大し、マレーシアやインドネシアにも積極的に出店。一時は海外で50店舗ほどを展開していましたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあって、20年にはインドネシアから、21年にはマレーシアから事業を撤退していたんです」(フードライター)
中国でもコロナによる都市封鎖が相次ぎ客数減を招いていたというが、中国では刀削麺や牛肉麺など、早くて安くて美味い三拍子揃った麺料理の屋台が数多くあるため、競合店との価格競争に勝つことができず、収益の悪化を招いたことが大きな原因と見られている。
なお、ネット上には「はなまるうどん」の中国の店舗を実際に利用したことのある人たちからもコメントが寄せられており、《中国で食べる麺料理としては値段は高めだし、そのわりには味もイマイチでコスパが悪い印象だった。撤退するのも当然だろうね》《中国の店舗は日本と比べて味が落ちるのもそうだけど、何より店員の接客態度がよくなかった。急展開したから接客教育も間に合っていなかったのかも》《同じ上海にあった「丸亀製麺」は人気だったし、うどんが中国で受け入れられないわけではないと思う。やっぱり、質と値段の問題じゃないか》などの指摘が出ている。
上海の運営子会社は年内にも清算し、これで「はなまるうどん」の海外店舗は消滅することとなる。コロナが落ち着いたら、再度練り直して挑戦してもらいたいものだが…。
(小林洋三)