「資さんうどん」がついに東京進出する“福岡うどん”激戦ゆえの実力

 北九州発のローカルチェーンとして地元では知られた存在だった「資さんうどん」。2009年に山口県下関市や福岡市に出店して以降は、各地へ積極的に出店。九州各県や関西、中国地方にも進出を果たし、昨年11月には関東1号店となる八千代店(千葉)がオープン。2月24日にはついに東京1号店となる両国店がオープンする予定だ。

 他にも福岡には九州や山口のほか、同チェーンに先んじて首都圏へ進出した「ウエスト」、福岡と佐賀、長崎で18店舗を展開する「釜揚げ牧のうどん」といったうどん系の人気ローカルチェーンがあり、ネット上では“福岡うどん三国志”なんて言葉も見かける。だが、現地で取材を進めて分かったが、どうやら3大チェーンどころではないようだ。

 福岡を中心に九州各地に店舗を持つ「うちだ屋」や、その系列チェーンの「麺勝」、駅の立ち食い店並みの安い料金で支持される「小麦冶」、久留米発の「人力うどん」、県内の人気うどん店ランキングで1位になったこともある「大地のうどん」などローカルチェーンが乱立している。

「福岡のうどんは柔らかな食感が特徴で、こしの強い讃岐うどんとは対極の存在です。業界1位の全国チェーンの『丸亀製麺』は福岡では19店舗で、人口や同社の規模を考えるとそこまで店舗を増やせていません。業界2位の『はなまるうどん』にいたってはわずか4店舗にとどまっています」(飲食業界誌編集者)

 福岡の麺料理といえば、多くの人が思い浮かべるのが豚骨ラーメン。だが、地元にはうどんもそれに並ぶ存在となっているようだ。

「こってり系の豚骨ラーメンも愛されていますが、あっさり系で柔らか麺の福岡うどんも同じくらい好きな人が多い。激戦区ゆえにチェーン店でもどの店もクオリティが高く、福岡のうどん文化を支える一因となっています」(同)

 うどん県といえば香川を指すが、どうやら福岡も隠れうどん県だったようだ。

※写真は「資さんうどん」の人気メニュー「肉ごぼ天うどん」

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