矢野燿大氏が阪神・筒井壮コーチを絶賛「しっかり選手に伝わっている証拠」交流戦で機動力炸裂のウラ

 6月3日に行われたプロ野球セ・パ交流戦開幕カード、日本ハム-阪神の一戦(エスコンフィールド)。首位同士の注目カードは、阪神が“機動力野球”で主導権を握る展開となった。

 テレビ大阪でゲスト解説を務めた元阪神監督・矢野燿大氏は、勝利のポイントとして“走塁の準備力”を高く評価。その中で特に、筒井壮外野守備兼走塁チーフコーチの名前を挙げた。

 初回、阪神は一死から中野拓夢が中前打で出塁すると、続く森下翔太の初球で今季8個目の盗塁に成功。さらに3回には近本光司が出塁後、中野の初球で走り、5回にも近本が四球で出塁後、またしても盗塁を決めた。

 矢野氏はこれについて、「しっかりデータが整理できているから、初球から走れる」と解説。加えて、「これは筒井コーチやスコアラーの研究成果が、しっかり選手に伝わっている証拠」と述べ、ベンチワークの徹底を称賛した。

 筒井コーチは2007年から阪神でコーチを務め、18年までは二軍で指導していたが、同年に2軍監督だった矢野氏が一軍監督へ就任したことに伴い、19年からは1軍に昇格。走塁面だけでなく試合前のデータ分析でも重要な役割を担っている。

「これは初戦だけでなく、2戦目、3戦目と日本ハムにプレッシャーとなる。序盤から足で揺さぶられるのは相当な負担」と矢野氏は語り、阪神の足を使った攻撃がシリーズ全体にプレッシャーを与えると見ている。

 交流戦という短期決戦では、こうした“仕掛ける姿勢”と“準備力”が勝敗を分ける鍵となりそうだが、阪神においては筒井コーチの貢献がかなり大きいようだ。

(鈴木十朗)

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